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  1. 宮城県議会 2022-11-01
    12月06日-04号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    令和 4年 11月 定例会(第386回)          第三百八十六回宮城県議会(定例会)会議録                              (第四号)令和四年十二月六日(火曜日)  午前十時開議  午後二時五十五分散会      議長                     菊地恵一君      副議長                    池田憲彦君出席議員(五十六名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  佐々木奈津江君        第四番                  石田一也君        第五番                  佐藤剛太君        第六番                  伏谷修一君        第七番                  松本由男君        第八番                  柏 佑賢君        第九番                  福井崇正君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  三浦ななみ君       第十三番                  枡 和也君       第十四番                  佐藤仁一君       第十五番                  渡邉重益君       第十六番                  わたなべ 拓君       第十七番                  伊藤吉浩君       第十八番                  八島利美君       第十九番                  瀬戸健治郎君       第二十番                  櫻井正人君      第二十一番                  村上久仁君      第二十二番                  高橋宗也君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  佐々木功悦君      第二十六番                  境 恒春君      第二十七番                  太田稔郎君      第二十八番                  遠藤伸幸君      第二十九番                  横山のぼる君       第三十番                  高橋 啓君      第三十一番                  庄田圭佑君      第三十二番                  遠藤隼人君      第三十三番                  渡辺勝幸君      第三十四番                  横山隆光君      第三十五番                  佐々木賢司君      第三十六番                  守屋守武君      第三十七番                  外崎浩子君      第三十八番                  池田憲彦君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  渡辺忠悦君      第四十二番                  菅間 進君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十六番                  吉川寛康君      第四十七番                  伊藤和博君      第四十八番                  佐々木幸士君      第四十九番                  高橋伸二君       第五十番                  菊地恵一君      第五十一番                  佐々木喜藏君      第五十二番                  石川光次郎君      第五十三番                  中島源陽君      第五十四番                  本木忠一君      第五十五番                  中山耕一君      第五十六番                  安藤俊威君      第五十七番                  畠山和純君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君欠席議員(一名)      第四十五番                  仁田和廣君欠員(一名)        第三番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    遠藤信哉君      副知事                    池田敬之君      公営企業管理者                佐藤達也君      総務部長                   志賀真幸君      復興・危機管理部長              佐藤達哉君      企画部長                   千葉 章君      環境生活部長                 佐藤靖彦君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               千葉隆政君      農政部長                   宮川耕一君      水産林政部長                 吉田信幸君      土木部長                   千葉 衛君      会計管理者兼出納局長             冨田政則君      総務部参事兼秘書課長             相澤一行君      総務部財政課長                大町久志君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      副教育長                   嘉藤俊雄君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   後藤和隆君    人事委員会      委員長                    西條 力君      事務局長                   千葉幸太郎君    公安委員会      委員長                    山口哲男君      警察本部長                  原 幸太郎君      総務部長                   佐藤孝治君    労働委員会      事務局長                   小松直子君    監査委員      委員                     吉田 計君      事務局長                   武内浩行君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   阿部正直君      副事務局長兼総務課長             藤田信治君      議事課長                   菅原敏彦君      参事兼政務調査課長              川村 満君      議事課副参事兼総括課長補佐          二上秀幸君      政務調査課副参事兼総括課長補佐        千葉恵子君      議事課長補佐(班長)             我妻則之君      議事課主任主査                齋藤春恵君-----------------------------------    議事日程 第四号                 令和四年十二月六日(火)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第百七十八号議案ないし議第二百六号議案及び報告第三十六号ないし報告第三十九号第三 一般質問    〔佐藤剛太君、大内真理君、遠藤伸幸君、村上久仁君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第百七十八号議案ないし議第二百六号議案及び報告第三十六号ないし報告第三十九号三 日程第三 一般質問    〔佐藤剛太君、大内真理君、遠藤伸幸君、村上久仁君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に十一番福島かずえ君、十二番三浦ななみ君を指名いたします。----------------------------------- △議第百七十八号議案ないし議第二百六号議案 △報告第三十六号ないし報告第三十九号・一般質問 ○議長(菊地恵一君) 日程第二、議第百七十八号議案ないし議第二百六号議案及び報告第三十六号ないし報告第三十九号を議題とし、これらについての質疑と日程第三、一般質問とを併せて行います。 十二月二日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。五番佐藤剛太君。    〔五番 佐藤剛太君登壇〕 ◆五番(佐藤剛太君) 自由民主党・県民会議、佐藤剛太。議長から発言のお許しをいただきましたので、通告に従い大綱二点の質問を行います。昨日、夜遅くまで質問を考えておりました。今朝はブラボーと言えるのか、いろいろ考えておりましたが、とても残念な結果になりました。しかし、改めてスポーツには人を感動させ、人に力を与えるものが、力があると思いました。私も六月の補欠選挙で当選させていただき、初めて質問させていただきます。今日は初めての景色の中で質問させていただきますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 大綱一点目、仙台国際空港についてお伺いします。 私が生活する岩沼市には、東北・宮城の空のゲートウエー、仙台空港が立地しております。仙台空港が立地する岩沼市・名取市にとっては、これまで仙台空港と歩んできた歴史があります。そして、今後も共生しながら発展していくことが重要であります。仙台空港が今後のまちづくりや雇用、産業の発展のために大きな力になっていくと言っても過言ではありません。仙台国際空港は、二〇一六年に全国で初めて民営化され、仙台国際空港株式会社が今、運営を行っています。更に昨年二月には宮城県と立地自治体、岩沼市と名取市は、二十四時間化に向けた覚書を交わしました。東北初の二十四時間空港が誕生することになりました。新型コロナウイルス感染症の収束後を見据え、更なる路線拡大やインバウンドの誘致が期待されます。また、貨物においても東北の拠点空港としての機能強化につながり、東北一円からの機械部品や農水産物の輸出が期待されております。更に、新・宮城の将来ビジョン政策推進の基本方向一の富県宮城を支える県内産業の持続的な成長促進の中に、時代に対応した宮城・東北の価値を高める産業基盤の整備・活用として、東北のゲートウエーとしての仙台空港の機能強化を図っていくことが明記されております。現在、仙台国際空港は、コロナ禍の中で、非常に厳しい運営となっております。コロナ禍以前と旅客数を比較すると、二〇一九年度は三百七十一万人、国内線が三百三十三万人で、国際線が三十七万人でした。二〇二〇年度には百二十一万人、国内線が百二十一万人、国際線がゼロでした。このように大きく減少していますが、二〇二五年度には新型コロナウイルス感染症拡大前の二〇一九年度を超える旅客数まで回復すると見込んでいて、今後宮城・東北全体の観光や産業などの発展に大きく寄与する重要な施設として期待されています。 まず、国際線の再開について質問を行います。 仙台国際空港は、コロナ禍前、韓国、中国、台湾、タイへ国際線が就航しておりました。国際線再開に当たっては、十月から台北便が再開するはずでしたが、グランドハンドリングや保安検査といった、地上支援員の人員不足が課題で延期となりました。先日、来年一月十八日からエバー航空の台北便が再開されると発表されましたが、今後、受入れ態勢を含め、それぞれの地域への国際線再開の見通しはどのようになっているのか、お伺いします。 二〇一六年には、仙台国際空港は国管理の空港として、全国で初めて民営化されました。空港を運営する仙台国際空港株式会社を東京急行電鉄、前田建設工業、豊田通商などが出資して運営をしております。近年は、コロナ禍により仙台国際空港株式会社の運営に大きな打撃があり、十一月定例会に県から経営支援のため二億二千三百万円の予算を計上しているところです。仙台国際空港の発展のために、仙台国際空港株式会社の経営安定化が欠かせないと考え、そのためには空港利用者数の回復や拡大に取り組む必要があると思うが、御見解をお伺いします。 国内では、十月十一日、新型コロナウイルス水際対策で停止していた外国人観光客の本格的な受入れが約二年ぶりに再開されました。コロナ禍以前の空前のインバウンドブームとはいかないまでも、円安の追い風もあって、着実に外国人観光客の姿が増えています。県内でも外国人の観光客を見るようになってきました。今後、仙台国際空港の国際線の再開により更に多くの外国人観光客が増加します。コロナ禍前の二〇一九年のインバウンドによると、観光消費は前年度比六・五二%増の四兆八千百三十五億円となっており、一人当たりの消費額も通年平均、前年比三・六%増の十五万八千五百三十一円となっておりました。インバウンドによる観光消費は、県内への経済波及効果が大きいと考えますが、外国人観光客を本県に取り込むため、どのように進めていくのかお伺いします。 今後、アジア諸国においても、これまでの団体旅行から個人手配の旅行が多くなる傾向にあり、松島や蔵王といったメジャーな観光地も重要でありますが、現在、神社ブームと言われるほど多くの観光客が神社に集まっております。岩沼市の竹駒神社、金蛇水神社、そして名取市の熊野三社など、空港周辺で気軽に立ち寄れ、外国人観光客が、より日本を感じられる場所のPRが今後のインバウンドの需要拡大に重要であると考えますが、見解をお伺いします。 本格的な人口減少社会が到来する中、宮城・東北の持続的な発展に向けては交流人口拡大の取組が急務であり、東北の空のゲートウエー仙台国際空港を最大限活用するため、二〇二一年二月十日に、立地自治体の岩沼市とは「地域振興策を講じることにより仙台空港とともに共生して発展すべき」と、名取市とは「地域経済の活性化や雇用創出、暮らしの質向上など目に見える成果に結びつけ、空港と共生するまちづくりを進めるため」と、両市が判断して、宮城県と二十四時間化に向けた覚書を締結しました。この覚書の内容を履行することは、岩沼市・名取市の住民にはとってはとても重要であり、非常に関心があります。現在、覚書の内容に沿って進んでいる事業や道路整備もありますが、まだ進捗していない事業についても、今回質問で今後の計画などをお伺いします。 まずは、これまで両市の間において、大変懸念していた夜間便はまだ飛んでおりませんが、騒音対策への取組をお伺いします。 続けて、雨水排水対策についてお伺いします。 仙台国際空港が大雨などの自然災害時であっても、臨空都市として機能を維持できるよう、雨水排水対策の更なる強化を図ることが必要です。まずは、数年に一度の大雨による被害がある志賀沢川の拡幅の着手時期についてお伺いします。加えて、見える川づくり計画の着手を前倒しで行うべきではないかと考えますが、見解をお伺いします。 続けて、五間掘川の洪水被害の軽減に向けた南長谷排水機場の整備について要望しておりましたが、県の回答は国に早期の整備をしっかりと要請するという返答になっておりました。これまでの期間、どのように要請を行ってきたのか、また時期や内容をお伺いします。 更に、南長谷排水機場の整備に関して、国と県の役割、今後の進捗状況などをお伺いします。 続けて、県道岩沼蔵王線の延伸についてお伺いします。 東北道村田インターチェンジや今年度中に開通予定の菅生スマートインターチェンジから仙台空港までのアクセス向上を図るため、県道岩沼蔵王線を延伸し、県道塩釜亘理線に接続することは、志賀姥ケ懐トンネル開通後、東西軸の交通の流れが活発になり、富県宮城を支える県内産業の機能強化につながると考えます。覚書の県の回答では、広域連携になる認識をもって検討するとありましたが、御検討の内容はどのようになったか、お伺いします。 続けて、県道塩釜亘理線の岩沼市早股地区における未改修部分に係る整備について伺います。 要望書の回答は、当該区間は前後区間に比べて幅員が狭く、特にカーブ箇所においては大型車がすれ違うことが難しい状況となっております。このため、拡幅などの道路改良を実施してまいります、との回答でしたが、今後の予定がどのようになっているのかお伺いします。 また、宮城県土地開発公社が所有する仙台空港フロンティアパーク地内の土地を活用し、仙台空港周辺地域にぎわい創出と県南地域の観光振興に資する集客施設の誘致についてお伺いします。 県の回答では、仙台空港フロンティアパーク地内に用地の確保を進めているほか、地域活性化の施設整備に関する調査を実施し、東北の空の玄関口として相応しい拠点施設の在り方を調査している、となっておりました。今後、市の構想や県の調査結果を踏まえ、観光、農業、商工業などの県の様々な事業を積極的に活用し、市とともに地域活性化の拠点整備を目指しているが、現在の事業の取組状況についてお伺いします。 平成八年九月に仙台空港が立地する岩沼市・名取市と中枢都市圏のバランスある発展や仙南地域の地域振興等を誘導する土地利用、骨格インフラ戦略的開発拠点の方針とそれに向けた事業化の在り方を検討し、仙台空港臨空整備基本計画を策定しました。おおむね二十年後、平成二十七年度までの計画とし、併せて前後十年を目標に優先的に事業化を図っていくという内容でした。そこで、今回の空港二十四時間化の覚書を踏まえ、宮城県として仙台国際空港を核とした空港や空港が立地する岩沼市、名取市を含めた積極的な地域戦略を持つ必要があるのではないでしょうか。更には、地元自治体では、覚書に位置づけている中長期的な計画の中では中核をなす事業であることから、県の協力がどこまで頂けるか、今後の動向について注視しております。そのためには、新しい仙台空港臨空整備基本計画を策定する必要があると考えますが、見解をお伺いします。 この項目最後の質問です。北海道の新千歳空港は、空の玄関口としてだけではなく、すばらしいアミューズメントパークとなっております。お土産や食事はもちろん、テーマパークや温泉もあります。空港の近隣自治体では、航空機を利用しなくとも空港に遊びに行きます。そこで、仙台空港は民営化されてターミナルビルの改修など航空機を利用する利便性の向上が図られつつありますが、地域のにぎわいや交流のためにも航空機を利用しない人にとっても、集まれるような魅力的な場所となるようにすべきではないかと考えますが、御見解をお伺いします。 続きまして、大綱二点目、学校教育の諸課題について、お伺いします。 私も、三人の子供がいる親として大変関心があり、子供たちが育っていくことがこの宮城、そしてこの国に、とても重要なことだと思っております。これからも子供たちのために精いっぱい応援してまいりたいと思っております。 現在、学校教育が多様化する教育現場の中で子供たちは学び、明日を生き抜く力を養っていく、そして教える側の教員も同様に多様化する教育現場で課題が増加しております。文部科学省や県、市町村教育委員会では、教員の働き方改革を進めてⅠCTの導入や休日の部活動の地域移行などの工夫を重ね、勤務環境の改善を図っています。しかし、教員の勤務は、長時間労働や苛酷な勤務内容などでブラックと言われており、現在教職員不足が全国で大きな問題になっております。 文部科学省の令和四年一月に公表した教員不足のデータによりますと宮城県、仙台市以外では、小学校では不足人数が十九名、不足学校数が十四校、中学校では不足人数が八名、不足学校数が七校となっております。更に、令和五年度宮城県公立学校教員採用候補者選考の出願倍率が小学校では今年度一・七倍、前年度は実質一・九倍でした。中学校は二倍、前年度は実質倍率三・四倍と、年々低下しております。教育学部を卒業しても教員にならない大学生も増加しております。そこで、宮城が抱える学力・体力の低下や不登校児童生徒数の増加、いじめなど、学校問題を解消するためには、教員の確保が大きな要因となっていると考えますが、教員不足に対して本県の取組と見解をお伺いします。 二〇一九年十二月、文部科学省により、児童生徒向け一人一台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するため、国から補助金が支払われるGIGAスクール構想が発表されました。学校教育でのICT活用を国家のスタンダードにしようという取組であります。小中学校の一人一台端末については、当初は二〇二三年度末までの達成を目標としておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大下でも生徒たちが自宅で教育を受けられるようにと、目標達成期間が前倒しされました。文部科学省によると、二〇二一年三月末までに全国の自治体の九六・五%で、小中学校の一人一台端末が達成したと報告がありました。そして、感染拡大防止のため学校の臨時休校措置が長期化し、教育課程の実施に支障が生じる事態に備え、オンライン授業を含めた家庭での学習支援等による児童生徒の教育機会の確保のために施策が講じられ、子供たちの学びを止めることなく進めることができました。しかし、小学校や中学校におけるICT活用に対しての意識や使用に関し、県内各市町村教育委員会の取組の違いなどで格差が生じているのではないでしょうか。市町村によって、できることと利用内容に差があると感じます。改めて、県内各市町村教育委員会と教員のICTに対する技術力の意識向上が必要と考えますが、今後の見解と取組をお伺いします。 令和三年度の小中学校の不登校児童生徒数は、一千人当たり全国で二番目に多い三十・三人でした。実人数では小学校が三七%増の一千六百四十九人、中学校は三一・四%増の三千五百六十九人となり、不登校率は小学校では一・四六%、中学校では六・〇一%で、いずれも全国平均を上回りました。令和四年度は、みやぎ「行きたくなる学校づくり」推進事業やみやぎ子どものケアハウス運営支援事業など、様々な施策を行い、不登校の解消に向けて取り組んでいますが、不登校児童生徒数が増加するようになっています。このことに対しての要因と見解、そして今後の取組をお伺いします。 不登校になる原因は、いじめなどに限らず、多様で原因が分からないケースが多くあります。普通級だけではなく、支援級の児童生徒の不登校も増加しております。その中には、特異な才能のあるギフテッドと呼ばれる、他者と比べ先天的に優れた才能を持つ子供がいると言われております。これまでは、民間支援団体が取り組んでいて、先日、福島県で行われた東京大学先端科学技術センターの中邑教授が運営しているLEARNという団体のイベントに県内の児童も参加しておりました。そして、先日文部科学省が来年度からギフテッドの支援を行うと発表しました。不登校の子供たちの支援をするNPO法人などと連携し、ギフテッドの支援に乗り出します。記憶力や想像力、特定の学問分野の能力などが突出した子供は、学校生活になじめないケースがあり、支援の必要性が指摘されます。これまでの、本県におけるギフテッド教育についての見解と今後の取組があれば、お伺いします。 続けて、公立中学校の休日の部活地域移行についてお伺いします。 先日の九月議会の一般質問においても公立中学校の部活地域移行についての質問がございましたが、令和五年度から始まる部活地域移行について改めて質問を行います。令和五年度から令和七年度末までを目途に、休日の運動部から段階的に部活動が地域移行されます。九月八日に県が取ったアンケートに三十四市町村から回答がありました。地域移行の取組について既に実施しているもしくは今年度中に実施する、と答えたのは十一市町村でした。更に、令和五年度以降の地域移行実施について、全ての中学校の部活、まず一部の部活動で行うと答えたのは八市町村、実施予定の開始時期について、令和五年度から開始と答えたのが七市町村でした。ほとんどの市町村がまだ内容や開始時期が決まっていない状況に対しての県の見解をお伺いします。 更に、市町村で内容や開始時期が決まってない中、部活移行という言葉だけが今一人歩きして、そこに携わる保護者や子供たちは大変困惑をしております。部活がどう変わるのか、大会がどうなるのか。教員の働き方改革で始めた事業ではありますが、やはりそこに携わっている子供たちが、どう行うか分かっていない状況に今ある中、ある程度県と市町村が連携して、部活動に対するガイドラインを作成するべきではないかと考えますが、御見解をお伺いします。 以上、私からの質問とさせていただきます。どうぞ御検討よろしくお願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 佐藤剛太議員の一般質問にお答えいたします。大綱二点ございました。 まず、大綱一点目、仙台国際空港についての御質問にお答えいたします。 初めに、国際線再開の見通しと受入れ態勢についてのお尋ねにお答えいたします。 仙台空港は、我が県のみならず東北全体の発展を牽引する東北のグローバルゲートウエーであり、インバウンドなどによる交流人口の回復・拡大とともに、県が掲げるみやぎ観光戦略プランの推進にも重要な役割を担っているものと認識をしております。現在、全便運休となっている国際線の再開につきましては、来月十八日からエバー航空において、台湾との定期便が週四便で運行再開することが決定したほか、年末年始にはタイ国際航空においてチャーター便運航が予定されています。また、国際線の受入れに不可欠なグランドハンドリングや保安検査及び検疫などについては、仙台国際空港株式会社が率先して事業者や国と調整を行い、受入れ態勢を整えたところであります。県としては、引き続き仙台国際空港株式会社や関係機関と連携し、一日も早い国際線全路線の運航再開を目指すとともに、運用時間二十四時間化の強みを生かし、更なる路線の拡大に向け、しっかり取り組んでまいります。 次に、利用者数の回復や拡大の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 仙台空港については、平成二十八年の民営化以降、順調に旅客数を伸ばし、令和元年度には約三百七十一万人と過去最高の旅客数を記録いたしました。しかしながら、令和二年度以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、大幅に旅客数が落ち込み、仙台国際空港株式会社の経営に大きな影響が及んだことから、今議会に経営支援のための予算議案を提案したところであります。現在、仙台空港においては、全国旅行支援の開始により国内線の旅客数は回復傾向にあり、また水際対策も大幅に緩和されたことから、今後、国際線の運航再開も加速するものと考えております。そのため県では、この航空需要の高まりを好機と捉え、若者を対象とした利用促進キャンペーンのほか、県内や隣県及び各就航地におけるテレビCMなどを活用したプロモーションを積極的に行っております。更に、航空会社に対する新規路線就航への助成や国際線の運航再開における地上支援業務費用の補助も行うこととしております。県としては、引き続き仙台国際空港株式会社や関係機関と連携しながら、旅客数の回復・拡大に取り組んでまいります。 次に、外国人観光客誘致の取組についての御質問にお答えいたします。 外国人観光客は、滞在期間が長く、観光消費単価も高い傾向にあることから、インバウンドの推進は、新型コロナウイルス感染症流行により厳しい状況が続く宿泊観光事業者の経営改善に向けて、地域にもたらす経済効果が大きい重要な取組であると認識しております。県では、これまで新型コロナウイルス感染症の影響による渡航制限により、外国人の訪日が壊滅的な状況にあっても、インバウンド再開を見据え、体験型コンテンツの造成や長期滞在につながる観光資源の開発、SNS等での情報発信や海外事務所等による商品造成に向けた旅行会社訪問など、東北観光推進機構やDMO等関係機関と協力をしながら取り組んでまいりました。十月の国による水際対策の緩和や先週公表された台湾からの直行便の再開は、インバウンド回復の大きな契機になるものと期待しており、台湾や韓国での直接的な誘客活動も再開したところであります。更に、外国人旅行者のニーズを考慮した高付加価値な観光コンテンツの造成などに取り組むとともに、航空会社と連携したプロモーションやデジタルマーケティングを活用した観光情報の発信など、外国人観光客の誘致にしっかりと取り組んでまいります。 次に、外国人観光客誘致に向けた日本らしい観光資源のPRについての御質問にお答えいたします。 外国人観光客については、興味関心に合わせて観光地を自由に巡る個人旅行の形態にシフトしてきていると認識しており、誘客に当たってはニーズに対応した観光コンテンツのアピールや効果的な情報発信が重要であると考えております。県では、これまで個人旅行の誘致を図るため、外国人に人気の高い観光資源をホームページやSNSを活用して紹介するとともに、旅行博覧会出展等を活用した旅マエにおける、情報発信に取り組んできたところであります。県としては、これらの取組に加え、竹駒神社や金蛇水神社など、神社・仏閣をはじめとする日本らしさを感じることのできる観光資源について、宮城県国際観光テーマ地区推進協議会と連携してモデルコースを設定するとともに、ターゲットを絞った戦略的な情報発信を行うなど、個人旅行客の獲得にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 次に、仙台空港における地域のにぎわいや交流の創出についての御質問にお答えいたします。 民営化された仙台空港は、民間の資金と知恵を最大限に活用し、国内外から人・物を呼び込むことにより、我が県のみならず東北全体を牽引する拠点空港として、更なる発展が期待されるとともに、空港周辺地域のにぎわいの創出や地域経済の活性化にも大きく寄与するものと考えております。これまで、仙台国際空港株式会社では、旅客ターミナルビル一階を改装し、観光案内の強化や待合スペースの新設、屋上展望デッキの改築など、快適性やホスピタリティーの向上に取り組むとともに、様々な催しや地域交流イベントの開催など、交流やにぎわいの創出を図ってまいりました。また、更なる取組として、飛行機を利用する方々のみならず全ての来場者がより空港を身近に感じられるよう、商業施設や飲食店を保安検査通過後の制限エリアに集約・拡充する旅客ターミナルビルの改築計画が進められております。県としては、仙台空港の高いポテンシャルを最大限引き出し、人が集い、活気とにぎわいに満ちた魅力的な空港となるよう仙台国際空港株式会社とともに取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱一点目、仙台国際空港についての御質問のうち、騒音対策への取組状況についてのお尋ねにお答えいたします。 覚書に基づく騒音対策については、これまで県独自の住宅防音対策としてエアコンや内窓の整備に係る費用の一部を補助しております。また、航空機騒音の低減対策として関係機関と協力し、延長時間帯における優先滑走路方式の遵守など、航空機の運航に係る各種ルールを変更するとともに、低騒音型機材の導入促進などについて航空会社等へ要請を行ったところです。また、騒音の監視体制強化として、来年度から通年測定局を三局から七局に増設し、測定する予定としております。県といたしましては、引き続き空港の騒音状況を確認するとともに、地元の方々と意見交換を継続的に実施しながら、騒音対策に取り組んでまいります。 次に、志賀沢川の整備についての御質問にお答えいたします。 志賀沢川においては、東日本大震災の復興予算を活用し、流下能力に支障を来していた五間堀川合流部の志賀沢川橋の架け替えを令和二年度に完了しました。御質問のありました志賀沢川の拡幅改修については、岩沼市周辺の洪水被害軽減のため、五間堀川合流部からJR東北本線までの約二・五キロメートル区間を、見える川づくり計画二〇二一に位置づけており、着手時期は令和七年度以降を予定しております。一方、今年七月の大雨に伴う甚大な被害の発生状況を踏まえ、見える川づくり計画に位置づけている各河川の整備時期などについて見直しを行うこととしており、この中で、志賀沢川の着手時期についても検討してまいります。 次に、南長谷排水機場の整備に関する国への要請状況と役割分担及び今後の見通しについての御質問にお答えいたします。 国が計画している南長谷排水機場は、五間堀川の洪水を直接阿武隈川へ排水する施設であり、岩沼市街地の浸水被害を軽減する効果があると認識していることから、県では、国が行う整備にあわせ、五間堀川上流の河川改修に着手することとしております。このため、今年八月に、国、県、岩沼市の三者による打合せを開始し、南長谷排水機場の早期整備について、県、岩沼市から国へ要請するとともに、流域の河川改修や下水道整備、押分排水機場の機能改善など、それぞれが具体に実施すべき対策について検討を進めております。県といたしましては、現在改定を進めている阿武隈川河川整備計画に南長谷排水機場の整備を位置づけるよう国に要請していくとともに、国や岩沼市と連携しながら、浸水被害の軽減に向け、しっかりと取り組んでまいります。 次に、県道岩沼蔵王線の延伸に関する検討状況の御質問にお答えいたします。 県道岩沼蔵王線は、東日本大震災で甚大な被害を受けた沿岸部と内陸部を連携する東西交通軸として、県南地域における地域間交流の強化や産業・観光振興などに寄与する重要な路線であると認識しております。本路線は、令和元年十二月の志賀姥ケ懐トンネルの開通以降、交通量が年々増加していることから、県では、現在覚書の地域振興策である県道岩沼蔵王線との交差点改良工事などを進めております。県道塩釜亘理線までの延伸につきましては、仙台空港へのアクセス向上や空港周辺地域の更なる発展に寄与すると考えており、県といたしましては、周辺道路を含めた今後の交通状況の変化を見極めながら、引き続き岩沼市と連携し、検討してまいります。 次に、県道塩釜亘理線岩沼市早股地区の整備についての御質問にお答えいたします。 県道塩釜亘理線は、東北唯一の国際拠点港湾である仙台塩釜港や仙台国際空港へアクセスするなど、我が県沿岸部の産業経済活動を支える重要な路線であると認識しております。本路線は、国道四号の代替機能を有しており、大型車をはじめ交通量が多く、仙台空港トンネル付近の県道仙台空港線との交差点部では、朝夕を中心に渋滞が著しいことから、現在覚書の地域振興策である右折レーンの延伸や左折専用レーンの追加などの交差点改良事業を実施しているところであります。岩沼市早股地区につきましては、車道や路肩が狭く、大型車同士のすれ違いに支障を来すなど、安全で円滑な通行に課題があることから、道路拡幅整備を行うこととしており、県といたしましては、現在実施している交差点改良工事などの進捗状況を踏まえながら、着手時期について判断してまいります。 次に、地域活性化拠点の整備についての御質問にお答えいたします。 県と岩沼市が連携して進めている仙台空港フロンティアパークにおける地域活性化拠点の整備については、昨年度末に基本計画を策定するため、官民連携による検討委員会を立ち上げたところです。これまで、民間資金の活用に係る企業への意向調査や当該拠点に必要な施設について地元住民への期待度調査を実施しており、年度内に基本計画を策定し、来年度から民設民営を念頭に置いた施設整備を進める予定としております。県といたしましては、空港周辺地域の更なるにぎわいの創出を図るため、引き続き市と緊密に連携しながら、早期整備に向けて取り組んでまいります。 次に、仙台空港を核とした周辺地域における今後の整備計画についての御質問にお答えいたします。 県では、平成八年九月に仙台空港臨空都市整備基本計画を策定し、岩沼・名取両市をはじめ関係機関と連携しながら、各種整備に取り組んできたところです。また、現在は覚書に基づく地域振興策として、岩沼市のフロンティアパーク内における地域活性化拠点や名取市の本郷地区及び下増田地区の開発について、両市と連携し、整備に向けた調査検討を進めております。県といたしましては、仙台空港を核とした周辺地域の更なる発展に向け、引き続き地域と行政が一体となって着実に地域振興策を進めるとともに、仙台空港周辺地域における今後の整備の在り方についても、継続的に意見交換を行ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱二点目、学校教育の諸課題についての御質問のうち、我が県の教員不足に対する認識と今後の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 学校を取り巻く環境が複雑化・多様化する中で、児童生徒の成長に大きな役割を担う教員の確保は重要であります。近年の教員の大量退職に伴い新規採用者数を大幅に増やすことなどに取り組み、未配置数はここ数年で減少傾向にはあるものの解消に至っていないことは課題であると認識しております。未配置が生じている主な要因としては、新規教員の大量採用により、講師経験者の多くが採用され、講師の登録者が減少したことが挙げられ、育児休業や病気休暇職員などの代替講師の配置ができなくなっているケースもあります。引き続き、教員確保に向けて必要な新規採用を確実に行うとともに、定年退職者に対し再任用を働きかけるほか、講師の登録者を増やすため、様々な広報活動や現に教職に就いていない教員免許状保有者を対象とする説明会を今年度新たに実施するなど、教員不足の解消に努めてまいります。 次に、市町村におけるICTの活用についての御質問にお答えいたします。 市町村においては、一人一台端末の整備時期も異なり、端末の持ち帰りなどの取組状況に差が見られるところですが、多くの学校でデジタルドリルが導入されるなど活用が進められており、今後、効果的な取組が更に広がることが重要であると認識しております。県教育委員会では、市町村教育委員会との連携や情報共有を図ることを目的にみやぎGIGAスクール構想の実現に係る連絡協議会を設置し、先進的な取組や様々な活用事例について横展開を図るなどICTの活用に向けた支援を行っているところです。また、総合教育センターにおける研修や情報化推進の指導的な役割を担う情報化推進リーダーを対象とした研修を行うとともに、学校の依頼に応じて指導主事を派遣するなど、教職員の意識や技術力の向上を図っております。今後も、連絡協議会における市町村との積極的な連携や各種研修内容の充実を図りながら、ICTを活用した教育の質の向上に努めてまいります。 次に、不登校児童生徒が増加している要因と、今後の取組についての御質問にお答えいたします。 不登校の要因は、学業や集団生活への不安、人間関係など様々で、それらの要因が影響し合うなど、複雑化・多様化しているものと捉えております。県教育委員会では、不登校は問題行動ではないという認識の下、児童生徒一人一人の状況に応じた教育機会の確保が何よりも大切であると考え、様々な施策を進めているところです。今後も、どこにいても誰かとつながっているをコンセプトに、全ての児童生徒にとって魅力ある・行きたくなる学校づくりを推進するとともに、学校内の学び支援教室など別室の活用促進、学校以外の学びの場となるみやぎ子どもの心のケアハウスの機能強化、訪問指導員の配置など、多様な教育機会の確保に向け、民間団体や関係機関と連携しながら、市町村教育委員会とともに取り組んでまいります。 次に、ギフテッド教育に対する認識と今後の取組についての御質問にお答えいたします。 特異な才能のある児童生徒については、特定の分野における優れた能力や特定の事柄への強い関心等が見られる一方で、学校生活になじめないケースもあり、支援の必要性が指摘されています。令和四年九月の国の有識者会議においては、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させることで、児童生徒や保護者との適切なコミュニケーションの下、学習内容の習熟の程度に応じた自由度の高い学習も取り入れ、お互いに高め合う教育活動が行われることが必要であると示され、国において引き続き実証研究を通じた実践事例の蓄積や大学と連携した特別なプログラムの提供などが行われています。県教育委員会としては、こうした国の動きも踏まえながら、今後特異な才能のある子供の個性をしっかりと把握し、尊重し伸ばしていけるような取組を検討してまいります。 次に、公立中学校の休日部活動の地域移行に関する現状認識と県としてのガイドラインについての御質問にお答えいたします。 部活動の地域移行については、今年六月の国の検討会議の提言を受け、十一月にスポーツ庁及び文化庁から地域移行のガイドライン案が示されたところであり、今月中旬までのパブリックコメントを経て、策定・通知される予定となっております。県教育委員会では、提言が出されて以降、市町村の状況を把握するためのアンケート調査や圏域ごとの情報交換会などを実施し、市町村と課題を共有してまいりました。アンケートでは地域の受皿となる活動団体や指導者の確保、取組に要する経費など、移行に際しての様々な課題が指摘され、既に移行の準備に取り組む市町村がある一方で、多くの市町村では、実施に向けた具体的な道筋を描くには至っておりません。地域移行を進めていくためには、生徒、保護者をはじめ、関係団体など広く理解を得ていく必要があると考えており、県教育委員会としましては、今後示される国のガイドラインの内容を踏まえ、各市町村が着実に地域移行に取り組んでいけるよう、スポーツの振興を所管する企画部とも情報共有しながら、県のガイドラインを令和四年度中に作成してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 五番佐藤剛太君。 ◆五番(佐藤剛太君) 二〇二一年の二月に二十四時間化の覚書を、県と立地自治体が締結しましたが、私もそのとき市議会議員として覚書の委員会等々に参加してました。やはり多くの反対する方々もおりましたが、ただ、市にとって空港があることを最大限生かしていくことが大事だと思いますし、冒頭でも述べましたが、空港とともに発展していく、共生していくということが、これから、ほかの自治体にはない大きな強みになっていくと私は思っております。今後も空港のために、空港への支援策等々お願いしたいと思いますが、一点だけ再質問させていただきます。平成八年の三時間延長化の際に、仙台空港臨空都市整備基本計画を宮城県、岩沼市、名取市が締結しましたが、今回二十四時間化の締結をしたということで、やはり、もう二十数年、三十年ぐらいたっている中で、改めてこの計画の必要性、皆さんと約束を交わしたこと、今後どう計画を進めていくかということが地元にはとても大事だと思います。この計画についてもう一度再度質問させていただきます。見解をお伺いします。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。 ◎土木部長(千葉衛君) 先ほど御答弁させていただきましたが、まずは今回の二十四時間化に係る覚書、地域の皆様とお約束した事項にしっかりと取り組んでいくと。その中で、今後の社会情勢の変化ですとか、地域の開発状況、様々変わってくると思います。そういったものを見極めながら、引き続き、継続的に住民の皆様と各種の皆様と意見交換をさせていただきながら、きちんとお話をしながら、どういった、あるべき姿を目指していくのかというのを検討してまいりたいと考えてございます。 ○議長(菊地恵一君) 五番佐藤剛太君。
    ◆五番(佐藤剛太君) やはり住民の声等々も、それから行政同士の声も必要だと思いますので、定期的に意見交換を。やはり意見を交換できないと、いろいろ皆さんからどうなっているんだと声も出てきますので定期的な意見交換を望みます。やはり、このコロナ禍収束後、そして空港二十四時間化をした後、これを契機に、まちがよくなった、県がよくなったと思えるような空港にしていきたいと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いします。終わります。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。    〔十番 大内真理君登壇〕 ◆十番(大内真理君) 大綱一、反社会的カルト集団、統一協会の問題とジェンダー平等のうち、知事の政治姿勢とカルト宗教二世や被害者への支援について伺います。 統一協会といえば正体を隠して近づき、親切を装いながら人の弱みにつけ込んで不安や恐怖をかき立て、先祖の因縁話にこじつけてマインドコントロールしていく伝道活動がマニュアル化されており、その手法そのものが信教の自由を侵害していることが公知の事実になりました。霊感商法や億単位の献金を強要され、人生も家庭も狂わされ続けてきた信者・被害者の実態がようやく明るみになってきました。献金総額は、発覚しているだけでも四千億円超、氷山の一角です。これら献金が韓国に流されてきました。ところが、さきの九月定例会で、統一協会の反社会性について問われた村井知事は、「法治国家の我が国で宗教法人法で認められている団体、反社会的勢力という位置づけではない」と擁護しました。これら言動は、統一協会の次なる加害を助長し、被害を拡大するもので、決して看過できません。国は世論に押され、遅まきながら質問権の行使などにようやく踏み出しました。村井知事の認識は変わりましたか。改めて統一協会の反社会的カルト性について村井知事の認識を変化があればその理由も併せて伺います。 秋田県や静岡県が実施したように、宮城県も統一協会や関連団体との関わりについて、集会やイベントなどへの職員派遣や祝電・メッセージの送付、後援名義の使用許可、県の施策への参画や寄附行為など、これまでにどのような関わりがあったのか徹底した調査を行い、公表することが必要です。いかがですか。 政権党である自由民主党は、統一協会との組織的な癒着・関与が疑われています。「真のお母様・ハンハクチャ様」発言の土井亨衆議院議員をはじめ、秋葉大臣や西村大臣など癒着ぶりが次々と明らかになっています。宮城県議会自由民主党会派の議員らが、統一協会関連旅行会社ハッピーワールドにツアーを依頼し、佐賀県の日韓トンネル試掘現場に政務活動費を使って視察したことは、県議会自身が議長を先頭に徹底調査を行い、自浄作用を発揮すべきと考えます。村井知事においては、統一協会との癒着・関係性が指摘されているにもかかわらず、自ら公表、反省、謝罪をせず、関係を断ち切らないままでいる国会議員や首長、地方議員の選挙応援を今後一切やめるべきです。いかがですか。 合同結婚式で結ばれた夫婦から生まれた祝福二世で記者会見をした小川さゆりさん、仮名は、インタビューで、二世が一番やっていけないのが恋愛。教義の本には、「殺人以上の罪」、「地獄の底に行きます」と書いてあったことを告発。両親が毎月の収入を献金に使うため生活に余裕がなく、卒業アルバムさえ買ってもらえず、小学生のときからいじめも受けていたことなどを語っています。直近では、教団内だけに通用する養子縁組の違法性についても明るみになりつつあります。長年支援活動をしてこられた方々からは、「二世や統一協会の事情に一定精通している人がサポートに就く体制をつくることが必要、声を上げる人をただ待つだけではなく、迷っている人たちの受皿になるような仕組みを早急に考える必要がある」ことが指摘されています。県として、継続的な支援ができる部署と体制を確立すること、支援者との率直な懇談・検討の場を繰り返し持つことを求めます。いかがですか。 数年前、宮城県所管の相談窓口に駆け込み、SOSを訴えた若年女性が虐待四要件の全ての被害に遭っていたにもかかわらず、背景に宗教が絡んでいたことが分かった途端、「宗教はねー」「家族とよく話し合って」などと追い返されてしまった事例があったことについて、県内の支援者から告発がありました。宗教的な虐待とは、虐待四要件を含んでいるのですから、虐待の問題としてしっかり対応するべきです。いかがですか。 全国では初めて宗教的虐待被害者が、東京都世田谷区で四年前に生活保護認定されました。世田谷区は、その後も救済の先頭に立っています。宮城県自身がその実践をよく学び、関係各課や市町村に共有することを求めます。お答えください。 もう一方で重大なのが、韓国に本拠地を置く統一協会と自由民主党の政務三役などが政策協定まで結び、内政干渉とも言える野蛮な介入・攻撃を一体となって、草の根から行ってきたことです。具体的には、統一協会と最も癒着していた疑いのある安倍元首相や山谷えり子氏らが、自由民主党国会議員が中心となり、自由民主党地方議員、日本会議などとともに、憲法改定が推進され、個人の尊厳、ジェンダー平等、性の多様性、性と生殖の健康と権利などの分野に攻撃が仕向けられ続けてきました。中でも統一協会が力を入れてきたのが、同性愛・両性愛への反対です。統一協会の教義は、神様の理想を具現化する場所として結婚と家庭を最も重要視しています。家庭とは、男と女が結婚し、子供をなす場であり、できるだけたくさん子孫を生み、つくり上げる場と家庭の在り方を決めつけ、同性愛は神の意思に反することになるという絶対的な教えがあります。村井知事は、これら背景を踏まえて、同性愛・両性愛を含めたSOGIESC、性の多様性を尊重・保障するために、県政においてどんな取組が必要だとお考えですか、伺います。 SOGIESC、性の多様性を尊重・保障する先進県の一つに、ぜひ宮城県も加わりますよう、宮城県自身もパートナーシップ支援条例を創設すること。まずは、知事・教育長それぞれが性的少数者、LGBTQプラスと言われる当事者の方々と意見交換する場を設けていただきたいと要望いたします。二点併せてお答えください。 これまで、統一協会と自由民主党議員らの攻撃にさらされ、国際水準から大きく立ち後れてきた分野を地方政治の現場から一気に引き上げる取組が急がれます。具体的には、全県庁職員・全教職員を対象にしたジェンダー平等研修です。まずは、知事・教育長・県警本部長のお三方を先頭に積極的に機会をつくっていただくことを求めます。いかがですか。 二つ目に、ジェンダー平等の一環として、県立学校を含む全県有施設でトイレットペーパーと同じように生理用品をトイレの個室や洗面台に配置していただきたい。いかがですか。 また、統一協会と自由民主党議員らは、九十年代以降、科学的・包括的な性教育を実践していた人間と性、教育研究協議会や教員に対し、名指しし、「過激な性教育は家族制度を壊す、共産主義の思想」などと偏見に満ちた攻撃を執拗に加えました。これら攻撃の中で、小学五年生の理科で人の受精に至る過程は取り扱わないものとするなど、いわゆる歯止め規定が学習指導要領に盛り込まれたのです。文部科学省が今年四月施行した生命の安全教育にも残念ながら歯止め規定が生きています。一方、文部科学省の担当者に聞くと、「歯止め規定の内容についても、各学校でその必要性があると判断すれば、指導することはできる」との回答が示されました。歯止め規定が残っていることで、一番影響を受けるのは子供たち自身です。性に関する誤った情報が氾濫する今、大人たちに正しい知識を教えてもらう機会はなく、一方で十代の妊娠など何か事が起きると深刻な傷を負うのは子供たちです。ユネスコが定めた国際セクシャリティガイダンスなど、子供の年齢・発達に即した科学と人権の性教育である包括的性教育を公教育に導入していくことが求められています。宮城県としても、全教職員の研修、義務教育、特別支援教育、高校教育の中できちんと位置づけることを求めます。併せて国に、そのための教員増員と予算配置を求めていただくこと。まずは、宮城県として独自の予算措置を求めます。二点についてお答えください。 現在、宮城県警のホームページに掲載されているリーフなどは、痴漢被害や盗撮被害に遭わないためにと被害者に注意を促すものばかりです。啓発資料などにはむしろ痴漢・盗撮は性暴力であり犯罪ですと、社会全体で加害を抑止・防止する機運を高めるよう、率先してはっきり表現していただきたいと考えますが、いかがですか。 また、近年大きな問題となっている受験シーズン、受験生をターゲットにした痴漢・盗撮などの性暴力加害を起こさせないために、都営地下鉄では、痴漢・盗撮・暴力は犯罪行為です。何かお困りのお客様やお気づきのお客様は、駅係員、乗務員、警備員または巡回中の警察官までお知らせくださいと、加害を防止するアナウンスを強化しています。公共交通機関などにおける対策を強化するよう、県からの働きかけと県警の取組を求め、併せて伺います。 大綱二、現場が切実に求める子ども・子育て支援について伺います。 村井知事は、県の財政力指数は東北一なのに、人口減少・税収減で不安をあおり、地方自治の本旨である福祉の増進を極端に怠ってきました。その結果が合計特殊出生率一・一五です。このことを深く自覚した抜本的な改善が不可欠です。授乳室設置、結婚支援などの施策にとどまらず、現場が切実に求めている施策の創設や拡充について求め、順次お尋ねします。 村井知事発案の孫休暇創設は、今でも様々なハレーションを起こしています。私は、九月議会で孫休暇以上に、全国十五県が実施している、子供のためなら何にでも使えるように、とりわけ教職員の処遇改善につながるように特別休暇の要件緩和と日数増を求めました。改めて求めます。いかがですか。 宮城県市長会から、今年八月に村井知事あてに提出された子供の医療費助成の地域間格差の解消に関する緊急要望書を、以前議員の皆様にお配りしました。これにもあるとおり、県は、子供の医療費助成に係る十八歳までの対象年齢の引上げ及び所得制限撤廃の措置を講じることこそが、市町村から何よりも求められています。知事は、この声に今こそ応えるべきです。いかがですか。 十月二十六日、三年ぶりに開催された第四十三回宮城県私学振興大会には、村井知事代理の志賀部長はじめ全会派から多数の県議が参加し、来賓として御紹介いただきました。国からの財源措置分から、小学校・中学校では、児童生徒一人当たり一万円から二万円も差し引いて、別な事業にお金を回しているように見えるぐらい助成額が低く、何とも恥ずかしい実態が明らかになりました。他県は、国の助成額より数万円上乗せの独自予算を立てています。私立学校振興助成法の経常費二分の一助成に近づける運営費補助を求めます。いかがですか。 また、私学助成をすすめる会の資料によると、高等学校等就学支援金制度については、世帯年収上限が低く、県独自の助成対象上乗せ対象が僅か五%程度、八百人であることも明らかになりました。かつて約四億円の県単予算を組んでいたはずが、国庫補助増額に反比例させ、県単を引下げていたことが議会で問題となり、大きな批判を浴びる中、ようやく一億三千万円までは引き上げていただきましたが、山形県の三億七千万円と比較するとまだまだ不十分です。助成対象の世帯年収上限額を山形県並みに引き上げるべきではありませんか、伺います。 文部科学省実施、令和三年度調査によると、いわゆる「不登校」の小中学生は二十四万四千九百四十人、過去最多を更新。昨年より約二五%の急増です。子供たちの抱える困難な実態と、学校現場で教職員が圧倒的に不足していることが表裏一体だという認識を知事・教育長は、それぞれどうお持ちでしょうか、伺います。 全国でも、都道府県レベルではとりわけ早く平成十六年から段階的に少人数学級に踏み出した山梨県は、平成元年には全県で三十人学級を実現。更に令和三年度には小学一・二年生の二十五人学級を県独自で実現しています。山梨県教育委員会自ら子供たちや教職員に効果検証のアンケートを実施しています。「学校に行くのは楽しいですか」、「困ったときに先生や友達に言えますか」や、「一人一人が活躍できる場を意図的に設定できたか」、「話を聞いたり声掛けを多くするなど、コミュニケーションの充実を図れたか」など、あらゆる項目で少人数であるほど、現場の評価が高くなっています。宮城県は、全国でも教育条件整備が最下位レベル。東北では断トツ最下位で、少人数学級と県独自の教職員定数配置が遅れています。県独自の少人数学級に直ちに踏み出すべきです。それには、県独自の教職員定数配置で具体的な増員を図ることが不可欠です。予算執行権を持つ知事に強く求めます。三点いかがですか。私は、独り親への食料支援を継続しているNPO法人mⅰa forzaさんの取組に参加させていただいています。法人による県内の独り親四十世帯の実態アンケートを見ると、独り親世帯や課税低所得世帯の生活の苦しさは、尋常でないことが改めて浮き彫りとなっています。このたびの福祉灯油もそうですが、宮城県は福祉や教育支援のほとんどが非課税世帯で、基準を引いています。県や県教育委員会が関わる福祉・教育の諸事業において、非課税世帯で引いている基準・ボーダーを、児童扶養手当受給世帯まで拡充していただきたい。また、独り親や寡婦の方が家事や育児にお困りの際、家庭生活支援員が派遣される独り親家庭等日常生活支援事業を持つ自治体がありますが、七三%の当事者が制度の存在自体を知らなかった、ぜひ活用したいと答えています。全自治体で、支援メニューと予算の拡充、普及啓発を宮城県が予算の補助で大きく後押ししていただきたいと考え、二点伺います。 大綱三、学校給食の無償化とオーガニック化について伺います。 全国では、宮城県を含む八割を超える自治体が、学校給食費の保護者負担を軽減しています。完全無償化は二百五十六自治体、県内でも富谷市と栗原市が来年度完全無償化に踏み出し五自治体、一部補助は八自治体と、補助を拡充する自治体が増えています。このような自治体を増やしたり励ますために、宮城県自身が給食費無償化を実施する自治体を直接下支えすることを求めます。いかがですか。 県立中学校二校、特別支援学校十八校、定時制高校七校と、宿舎八か所分の給食費完全無償化に必要な財源は約二億円です。宮城県としてこれらは直ちに行うべきと考えます。いかがですか。 地域の方を雇用して、長期休暇の時、週一回以上の食事提供を実施し、継続すること。小・中学生希望者へ週一回以上の朝御飯の無料提供を行うこと。これらを県が率先し、市町村とともに構築することを求めます。この事業も兵庫県明石市が既に実施しています。地域と学校が連携した子供たち一人一人を本気で大切にする県政、ぜひ御検討ください。知事いかがですか。 同時に知事には、学校給食の食材を県産品に切り替え、更にオーガニック化を目指すよう市町村に働きかけ、協議していただくことを求めます。一気にまとまった収量を得られなくても、できる範囲・少量から徐々に食材の公共調達の割合を計画的に増やすことは、恒久的に地元の生産者を買い支えることも意図します。いかがですか。 私の地元・仙台市宮城野区でも、自校式給食の岡田小学校と御近所の意欲の高い有機農家さんが独自につながり、土づくり、種まき、田植、草取り、収穫、そして収穫祭としておいしい給食が提供されます。最高の食育体験です。これらは、五年生の総合学習の時間を使って毎年行われており、低学年生の憧れの的です。今年一年、私は県の担当者の方とともにこれらに参加してまいりました。農政部と教育庁の連携で得られるこれら地域内好循環の実践について、知事と教育長の所感と全県水平展開を図ることを求めます。いかがですか。 大綱四、みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略について伺います。 エジプトで開かれていた国連気候変動枠組条約、COP27が閉会しました。この開催に合わせて、気候変動対策に後ろ向きな国に授与される化石賞を日本が三たび連続で受賞しました。日本政府が進める石炭火力をはじめ、製造時に大量のCO2を排出する化石燃料由来の水素やアンモニア頼みの姿勢が、世界から厳しく批判されています。世界の流れから見た際、現時点での宮城県の二〇五〇戦略中間案は肝腎要のことが柱から抜け落ちています。メガソーラー分だけで既に伐採されてしまった楽天球場約一千七十個分の森林の回復目標と計画、CO2の最も多い石炭火力発電所の全面廃止。この二点の位置づけが一切ありません。二〇五〇戦略の主要な柱にこの二点を位置づけ、明記すべきです。いかがですか。 現在策定中のカーボンニュートラルポート形成計画をはじめ、宮城県の全ての事業から、化石燃料由来のグレー水素、グレーアンモニアの輸入・使用を完全に排除するよう明記すべきです。いかがですか。 水素製造には大量の電力を使いますし、燃料アンモニア製造にも大量のLNGが使われます。その結果、一トンの燃料アンモニア生成に対し、一・五八トンのCO2が排出されることとなります。このことへの認識も併せて伺います。 知事は、県政だより最新号で、風力発電や太陽光発電は平野部でも実現可能な中、あえて二酸化炭素を吸収する役割を持つ山林で事業を拡張することに疑問を感じる。更に、数十年後に事業者が不在になってしまい古くなった設備がそのまま山林に放置される可能性に強い危機感を覚えると明言。これまでの認識を大きく変化させていただいたことには感謝しております。そうであるならば、なおさら一刻も早く太陽光発電施設の設置等に関する条例の規制を、対象範囲を、現在の県土の一%から県土の約六〇%を占める森林全体に拡大すること。大規模風力発電施設を直ちに対象に含めること。事業者による条例などの他法令遵守違反を、当該市町や住民から告発を受けた際には、宮城県として、速やかに林地開発許可を撤回できる要件を県で条例に明記すること。経済産業省に対し改正FIT法に照らして、FIT認定の取消しを通報する窓口をつくること。四点が不可欠です。いかがですか。 知事発案の仮称森林新税の納税対象者を新規着工施設事業者としてしまえば、駆け込み着工や駆け込み事業を呼び込み、逆効果になることや節税対策になって森林乱開発企業の設置導入をむしろ促進してしまうことなど、政策効果への根源的な疑問も指摘されました。慎重に検討すべきです。いかがですか。 気候危機打開に本気ならむしろ原因者負担の原則に立った炭素税こそ創設すべきです。石炭火力発電所や輸入バイオマス発電所こそ課税対象に含め、得られた財源を地域主導で地域経済や雇用にも寄与する、省エネ、再エネ支援に振り向けることができます。併せて、森林乱開発にはやはり条例で規制を強化することのほうが先決なのではないでしょうか、伺います。 宮城県は、二〇一八年に作成したゾーニングマップを県のホームページで公開していましたが、今年七月上旬に非公開としています。宮城県の現ゾーニングマップは、本来国土保全の観点から、土砂災害警戒区域などの指定区域を除外すべきでした。ところが、丸森町を例に見ても、砂防三法に係る砂防指定地等は九十九か所、土砂災害警戒区域等は八百七十四か所もあります。このようなところを除外していない現ゾーニングマップは、人命に関わる重大な欠陥があると言えます。まずは、最低でも現ゾーニングマップ本体から丸森町をはじめ、全域の国土保全に関係する指定地域と周辺を一刻も早く外すべきです。いかがですか。 村井知事は、原子力発電所というのは二酸化炭素を出しませんし安全に稼働すればこれほど環境に優しいものはないわけですね、と述べました。本当にそうでしょうか。先日結審を迎えた女川原発差止め訴訟は、約十年間で八十回を超える情報公開請求を積み重ね、避難者の被曝を検査する検査場所が開設できないこと、一時集合場所へのバス確保と配備ができないこと、つまり、逃げられない避難計画であることが原告によって論証されました。原発は、濃縮ウランの核分裂による熱でお湯を沸かします。女川原発一基が一年間で使用する分の濃縮ウラン十六トンを生み出すために必要なウラン鉱石は六・九万トン。採掘の際に百二十八万トンの土を掘り返します。これら採掘・精製するときの機械や動力、そして、海外からの運搬の工程で膨大な石油などの化石燃料が使われ、大量の二酸化炭素を排出します。知事はこのことを御存じでしたか、認識と評価を伺います。 女川原発の再稼働を許せば、これまで女川原発で生み出し処理の見通しが全くない、合計七百十六トンの使用済み核燃料に毎年新たに十六トンずつ使用済み核燃料が加わります。知事は、原子力発電所の再稼働は高レベル放射性廃棄物の最終処分とともに、後世に負担を残さないためにも、国が主体となり責任を持って取り組むべき課題と認識していると口では言います。そう認識しているのであれば、国任せではなく宮城県の責任でできることは、新たな核のごみを生み出さない判断、女川原発の再稼働の同意を取り下げること、選択肢は一択です。これが知事の取るべき必要最低限の仕事なのではありませんか、伺います。 二〇五〇戦略は、他県で既に大きな実績を上げている太陽熱温水器助成や断熱リフォーム助成の更なる拡大のような大規模な省エネ施策と、PPAモデルのような自家消費や地域経済活性化にも寄与する取組を大きく促す柱立てが弱いことを残念に思います。三年から五年単位での削減目標や工程表も明示した実行計画を同時につくり、省エネ施策と地域主導再エネ施策の充実・発展にこそもっと力を入れていただきたいのですが、いかがでしょうか。 エネルギーと食料の自給率向上を、地域主導・地産地消で積み重ね、気候正義を草の根から実践していくことこそ真の地方創生です。グローバルな取組をローカルで実践する宮城県へ抜本的に転換することを求め、壇上からの質問とします。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 大内真理議員の一般質問にお答えいたします。大変多岐にわたっておりますので、簡潔に答弁いたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、反社会的カルト集団、統一協会の問題とジェンダー平等についての御質問にお答えいたします。 初めに、統一協会に関する私の認識についてのお尋ねにお答えいたします。 旧統一協会が行ってきた活動につきましては、新聞で報道されている以上のことは詳しくは存じ上げておりません。現在、国において宗教法人法に基づく質問権が行使されたと伺っており、今後法令に基づいて適切に判断されるものと認識しております。 次に、統一協会との関係を断ち切らない議員等の選挙応援をやめるべきとの御質問にお答えいたします。 私がどの候補者を応援するかにつきましては、その候補者の政策やこれまでの実績、人柄などを総合的に勘案し、私の政治信条に基づき判断しているものでございます。 次に、大綱二点目、現場が切実に求める子ども・子育て支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、子供たちが抱える困難な問題と教職員不足が表裏一体であるとのお尋ねにお答えいたします。 教育には様々な諸課題があることは承知しておりますが、義務教育の教職員定数につきましては、全国どこに住んでいても同じ教育が受けられるよう、国の責任において定められるべきと認識しており、引き続き国に対し必要となる教職員定数の措置について要望してまいります。 次に、少人数学級のための県独自の定数増についての御質問にお答えいたします。 少人数学級については、義務標準法の改正により令和七年度には小学校の全学年において三十五人以下学級となる見込みであります。義務教育における学級編制の在り方については国において定められ、その責務として必要な財源を確保すべきものと考えており、対象範囲の拡大などにつきましては、国に対し引き続き要望してまいります。 次に、大綱四点目、みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略についての御質問にお答えいたします。 初めに、ウランの採掘、精製、運搬等に伴う二酸化炭素排出への認識と評価はどうか、また、再稼働の同意を取り下げるべきとのお尋ねにお答えいたします。 原子力発電では、発電時以外の過程において二酸化炭素が排出されていることは承知しております。環境への影響等はトータルで考えるべきものと考えておりますが、エネルギー白書の電源別のライフサイクルCO2排出量の比較によれば、原子力発電は火力発電などに比べ、二酸化炭素の排出量が少ないという見方が示されております。また再稼働につきましては、安全性の確保を大前提に、国のエネルギー政策や地球温暖化対策等も考慮しながら、一昨年県議会や市町村長の御意見等もお伺いして、総合的に判断したものであります。 次に、戦略に関する実行計画の作成及び抜本的な省エネと地域経済の活性化の取組の充実についての御質問にお答えいたします。 みやぎゼロカーボンチャレンジ戦略は、目標達成に向けた施策や重点対策を盛り込んだ地球温暖化対策推進法に基づく県の実行計画として位置づけております。この計画では、再生可能エネルギー熱利用設備の導入支援などに加え、重点対策としてゼロエネルギー住宅やビルの大量普及を掲げ、徹底した省エネ化の推進に取り組むこととしているほか、農山漁村地域における再エネの導入促進として、営農型太陽光発電や木質バイオマス発電など、地域資源を活用した省エネの導入により、地域経済の活性化を図ることを目指すこととしております。なお、計画の進捗状況等につきましては、毎年度、目標の達成状況等を取りまとめの上、公表し、適切に進行管理を行っております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 総務部長志賀真幸君。    〔総務部長 志賀真幸君登壇〕 ◎総務部長(志賀真幸君) 大綱一点目、反社会的カルト集団、統一協会の問題とジェンダー平等についての御質問のうち、県と統一協会や関連団体との関わりに係る調査についてのお尋ねにお答えいたします。 現在、国において、旧統一協会に対し、宗教法人法に基づく質問権を行使し、様々な実態を解明しようとする動きもありますので、その動向を注視してまいります。 次に、継続的な支援体制の確立と支援者との懇談や検討の場の設置についての御質問にお答えいたします。 県といたしましては、これまでも各種の御相談に対し、関係部署間、更には国や関係機関などとも連携しながら対応してきたところであり、本件についても必要な実情の把握に努めつつ、引き続き法令等にのっとり適切に対応してまいります。 次に、大綱二点目、現場が切実に求める子ども・子育て支援についての御質問のうち、特別休暇についてのお尋ねにお答えいたします。 子育てに関する特別休暇制度については、かねてより職員団体から授業参観などを目的とした制度の創設について要望があり、人事委員会と調整を進めてまいりました。このたび、本日付で人事委員会規則の一部を改正する規則が公布され、令和五年一月から、入学式や卒業式、授業参観などの学校行事への出席を目的とした特別休暇が新たに認められることとなったところであり、有効に活用していただきたいと考えております。 次に、私立学校運営費補助と就学支援金県単上乗せ補助についての御質問にお答えいたします。 私立学校運営費補助については、国の財源措置のうち地方交付税に算入されている教職員共済費相当額については日本私立学校振興・共済事業団等に対して直接補助しており、全体として国の財源措置分を超える支援を行っております。また、私立高等学校等就学支援金の上乗せ補助については、各都道府県において独自の支援制度が設けられておりますが、いずれも国の制度上年収区分の境目に生じるギャップ等を埋める観点から実施されているものであることから、全国知事会を通じ国に対して制度の拡充・見直しを求めているところであります。私学の振興に向けては、多様なニーズや社会情勢を踏まえた総合的な対応が必要と考えており、引き続きできる限りの対応に努めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。    〔環境生活部長 佐藤靖彦君登壇〕 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 大綱一点目、反社会的カルト集団、統一協会の問題とジェンダー平等についての御質問のうち、性の多様性に関する取組についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、宮城県男女共同参画基本計画において性的マイノリティーへの配慮を掲げ、意識啓発や相談体制の整備を行っております。このため、市町村との共催により県民を対象としたセミナーを開催するとともに、LGBT相談窓口を開設し、専門相談員が家庭や職場などにおける様々な悩みに対応しており、引き続き普及啓発等に取り組み、広く理解増進を図ってまいります。 次に、パートナーシップ制度の創設と当事者との意見交換の実施についての御質問にお答えいたします。 パートナーシップ制度の導入には、県民の理解や意識の醸成が必要不可欠であると認識しており、県民の皆様をはじめ、各方面の方々から広く御意見を伺う必要があると考えております。現在、十都府県において制度が導入されていることから、先行事例の状況等も把握しながら、引き続き今後の対応を研究してまいります。なお、当事者の方々の考え方を知ることは重要であることから、まずは担当課において意見交換を行ってまいりたいと考えております。 次に、ジェンダー平等に関する研修の実施と県有施設への生理用品の配置についての御質問にお答えいたします。 県では、ジェンダー平等に関して毎年度県職員を対象とした研修を実施するとともに、庁内イントラネットに性の多様性を理解するためのハンドブックを掲載しており、今後も様々な機会や媒体を活用して、一層の理解の醸成を図ってまいります。また、県有施設への生理用品の配置については、みやぎの女性つながりサポート型支援事業を実施し、コロナ禍で困難を抱える女性に対する相談支援とともに、生理用品の提供を行っております。県といたしましては、県有施設のトイレの備付けは現時点では慎重な検討が必要と考えておりますが、今後も本事業により必要としている人に支援が行き届くよう、一層の制度の周知を図ってまいります。 次に、性暴力や痴漢等に関する対策強化の働きかけについての御質問にお答えいたします。 県では、犯罪のないみやぎ安全・安心まちづくり基本計画に基づき、警察本部をはじめ関係機関と連携し、犯罪が起きにくい環境づくりや犯罪被害者支援に取り組んでおります。受験シーズンに向けての対策強化に関する公共交通機関等への働きかけについては、警察本部と連携し、対応を検討してまいります。 次に、大綱四点目、みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略についての御質問のうち、伐採された森林の回復と石炭火力の全面廃止を戦略に位置づけるべきとのお尋ねにお答えいたします。 みやぎゼロカーボンチャレンジ戦略では、吸収源対策として、再造林や間伐による森林整備などにより、二酸化炭素の吸収量を二〇一三年度と同程度以上確保する目標を掲げております。また、二酸化炭素の排出が多い石炭火力発電は、脱炭素社会の実現を目指していく上で好ましいものではないと認識しておりますが、石炭火力発電を含めた火力発電の在り方については、国において決定されるべきものと考えております。 次に、県事業において、グレー水素などを使用しないよう明記すべき、また、製造工程における二酸化炭素排出に関する認識はどうかとの御質問にお答えいたします。 現在使用されている水素やアンモニアは、製造工程において二酸化炭素が排出されるものが多いことは認識しておりますが、利用時に二酸化炭素を排出せずカーボンニュートラル実現の鍵となる技術とされていることなどから、その普及拡大を戦略の重点対策と位置づけております。また、二酸化炭素を排出せずに生成されるグリーン水素などの製造技術の開発や実証が進められていることから、そうした状況等も踏まえながら、水素等の利活用の更なる拡大を目指してまいります。 次に、太陽光パネル条例の規制区域の拡大などについての御質問にお答えいたします。 太陽光パネル条例における設置規制区域は、土砂災害の防止が主な目的であり、森林全体を含めることは過度な規制となると考えております。また、大規模風力発電施設は、既存の法令等の手続の中で住民とのコミュニケーションや環境への配慮等の機会が確保されており、条例の対象に加えることは現時点では考えておりませんが、今後も国や他県の動向を注視してまいります。また、林地開発許可は、森林法に基づく基準に適合する場合に許可し、他法令の判断に影響されないとされており、取消しができるのは開発行為者が条件違反による中止命令等に従わなかった場合などとなっております。また、FIT制度の通報窓口については、国において窓口を設け、広く住民等から情報を収集しております。なお、条例違反事例については、県から国へ情報提供等を行うこととなります。 次に、新税の検討は慎重に行うべきとの御質問にお答えいたします。 新税については、現在審議会に諮問するとともに、新たに税制研究会を設置し、議論を開始したところであり、今後、課税標準や税率などについて森林開発の抑制と再エネ施設の適地への誘導を効果的に実現できる制度となるよう検討を重ねてまいります。なお、駆け込み着工等への懸念については、課税対象となるか否かにかかわらず、事業者に対し、法令遵守や地域住民との合意形成など、適切な対応についてしっかり指導してまいります。 次に、炭素税の創設についての御質問にお答えいたします。 いわゆる炭素税は、吸収源である森林の開発事業者などに課税するものではなく、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出する事業者に課税するのが一般的であり、我が国では平成二十四年度から地球温暖化対策税として導入され、再エネの導入や省エネ対策等に活用されております。したがいまして、我が県の森林開発の抑制と再エネ施設の適地への誘導を目指す新たな税と炭素税とは趣旨が異なるものと考えております。 次に、風力発電に係るゾーニングマップについての御質問にお答えいたします。 ゾーニングマップは、環境保全と風力発電の導入促進の両立を図るため、県内全域を対象に風況や地理的・法的規制状況などを調査し、その結果を地図上で整理するとともに、市町村の意向を反映させるなどにより平成三十年に作成・公表したものです。導入可能性エリアについては、五百メートルのメッシュを基本として大まかに図示したものであり、砂防指定区域等については関係法令の手続を経ることにより設置が可能であるため一律に除外しておりませんが、二十五度以上の急傾斜地などはエリアから除外しております。一方、昨年五月の地球温暖化対策推進法の改正により市町村が再エネ施設の設置を促進するための促進区域を定めるよう努めることとされたため、今後は県内全域のゾーニングマップを示す方法ではなく、市町村が地域の実情や住民の意向を踏まえた促進区域の設定を行うことなどを通じて、再エネ施設を適地に誘導することが望ましいと考えており、県としてはそのような市町村の取組を支援してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、反社会的カルテ集団、統一協会の問題とジェンダー平等についての御質問のうち、宗教的な虐待への対応についてのお尋ねにお答えいたします。 児童相談所では、児童虐待の通告や相談があった場合、宗教的背景の有無にかかわらず、虐待に該当するかを判断し、適切に対応していると認識しております。また、国からは旧統一協会を背景とした生活保護などの相談があった際には宗教に関わることのみを理由として消極的な対応をせず、必要に応じて警察や消費生活センター等の関係機関とも連携しながら適切に対応するよう通知があり、その旨各市町等に周知しているところです。 次に、大綱二点目、現場が切実に求める子ども・子育て支援についての御質問のうち、乳幼児医療費助成についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県では、県から市町村に対する助成対象を入院、通院ともに就学前までとし、一部自己負担金を課していないことや完全現物給付方式であることも踏まえれば、全国的に見て遜色のない制度であります。こうした制度は、本来ナショナル・ミニマムとして国が責任を持って整備すべきと考えており、全国一律の制度創設について引き続き国に要望してまいります。 次に、福祉分野における支援の対象世帯の拡充についての御質問にお答えいたします。 今議会に予算を計上しております生活困窮世帯支援費は、国の経済対策で直接、間接の支援がある中で、特に生活困窮世帯の灯油購入費を助成するものであります。また、住居確保給付金や生活福祉資金の貸付けなどは、国の制度により非課税世帯が支援対象とされているものです。なお、生活困窮者支援の中でも一時生活支援事業や子供の学習支援などでは対象者を広げて対応しているところです。 次に、ひとり親家庭等日常生活支援事業についての御質問にお答えいたします。 ひとり親家庭等日常生活支援事業は、病気などの理由で生活援助、保育等のサービスが必要となった場合、家庭生活支援員を派遣する等の事業で、県内では仙台市、名取市、柴田町で実施しております。県としても、この事業は、独り親家庭等への支援メニューとして効果的なものと考えており、会議や研修の場を通じて未実施の市町村に積極的に働きかけてまいります。 次に、大綱三点目、学校給食の無償化とオーガニック化についての御質問のうち、学校の長期休業時等における食事提供についてのお尋ねにお答えいたします。 困難な環境にある子供たちの食を地域で支える活動は、子ども食堂を中心に広がっており、地域の方々に支えられながら、現在、公民館など約百四十か所で週一回から月一回程度実施されております。こうした場は、親子を必要な支援につなげるとともに、居場所づくりにもなる重要な取組であることから、県では、みやぎこども食堂ネットワークを立ち上げ、運営への支援のほか市町村の取組も支援しているところです。引き続き、市町村や関係機関等と連携・協力しながら、県内各地に活動が広がるよう支援してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 農政部長宮川耕一君。    〔農政部長 宮川耕一君登壇〕 ◎農政部長(宮川耕一君) 大綱三点目、学校給食の無償化とオーガニック化についての御質問のうち、土づくりから給食の提供までを体験する取組の県内全体への展開についてのお尋ねにお答えいたします。 小中学校の早い段階から、地域の食文化や農業に関する理解を深めることは、持続可能な農業・農村を確立していく上でも重要と認識しております。県では、農業者と学校との連携による農業体験の実施や農業に関する出前講座の開催のほか、県産食材を使用した調理実習など様々な取組を行っております。引き続き、地域の実情に合わせて教育庁とも連携しながら、食農教育の推進に向けて取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱一点目、反社会的カルト集団、統一協会の問題とジェンダー平等についての御質問のうち、性的少数者と言われる当事者との意見交換の実施についてのお尋ねにお答えいたします。 全ての人が性差にとらわれず、互いに人権を尊重し合い、誰もが自分らしく生き生きと生活していくことができる社会の実現には、児童生徒の意識の醸成や価値観の形成に関わる学校教育の果たす役割は大変重要であると考えております。御指摘の点については県教育委員会といたしましても、知事部局と連携しながら、様々な御意見の把握に努めてまいります。 次に、教職員を対象としたジェンダー平等に関する研修の実施と学校のトイレへの生理用品の配置についての御質問にお答えいたします。 児童生徒の男女共同参画意識を育む上で、教職員の意識の向上が重要であることから、これまでも初任者や新任校長・新任教頭研修において、男女共同参画を取り上げてきたところであり、引き続き研修の充実を図ってまいります。また、県立学校では、児童生徒に生理用品を保健室で無償配布しております。県教育委員会といたしましては、教職員が児童生徒の悩みや不安を聞き取り、その背景にある課題に気づくことが大切であると考えており、一人一人に寄り添った対応につながるよう学校に働きかけてまいります。 次に、包括的性教育の公教育への位置づけと予算についての御質問にお答えいたします。 包括的性教育とは身体や生殖の仕組みだけではなく、人間関係や性の多様性、ジェンダー平等など幅広いテーマが含まれるものとされておりますが、学校教育においてはそうした観点も踏まえ、保健体育の内容をはじめとして家庭科、社会、道徳等の教科及び特別活動とも関連づけ、発達段階に応じ、教育活動全体を通して取り組むことが重要であると考えております。県教育委員会では、教職員などを対象とした研修会を開催するほか、学校で講演会やワークショップを開催するなど人権や性に対する理解を深める取組も行っております。引き続き必要な予算措置も含めこうした取組が推進されるよう努めてまいります。 次に、大綱二点目、現場が切実に求める子ども・子育て支援についての御質問のうち、子供たちが抱える困難な問題と教職員不足が表裏一体であるとのお尋ねにお答えいたします。 児童生徒への支援については、個々の児童生徒の状況が異なり多様化・複雑化していることから、一人一人へのきめ細かな支援が必要であると認識しております。県教育委員会としましては、スクールカウンセラー等の積極的な活用や関係機関との連携協力を促すとともに、国に対して引き続き必要となる教職員定数の措置について要望してまいります。 次に、教育における、支援における対象世帯の拡充についての御質問にお答えいたします。 県教育委員会では、国の補助事業を活用しながら授業料以外の教育費の負担軽減を目的に、非課税世帯等の保護者を対象として高校生等奨学給付金を支給しています。給付額や給付対象者の拡大については国へ要望しているところであり、授業料に相当する就学支援金等も含め、引き続き個々の家庭の状況に応じたきめ細かな支援に努めてまいります。 次に、大綱三点目、学校給食の無償化とオーガニック化についての御質問のうち、学校給食費の無償化を進める市町村に対する支援策についてのお尋ねにお答えいたします。 義務教育における学校給食は、学校給食法において学校設置者である市町村が実施し、施設・設備と運営に関する経費は学校設置者である市町村が、食材料費等は児童生徒の保護者が負担する旨定められておりますが、子育て支援や定住促進などの観点から、給食費を助成している市町村もあるところと認識しております。給食費の負担の在り方については、各市町村によっても様々な意見があると考えられることから、県教育委員会としましては、引き続き県内の状況把握に努めてまいります。 次に、特別支援学校、定時制高校及び寄宿舎の給食費無償化についての御質問にお答えいたします。 県立学校の学校給食については、昨今の物価高騰への対策として国の臨時交付金を活用して、栄養バランスや量を保った給食の確保と保護者等の負担軽減に取り組んできているところです。学校給食法等では、学校給食の食材料費等は保護者等が負担することと定められておりますが、負担ができるだけ軽減されるよう必要に応じて国への働きかけを検討してまいります。 次に、学校給食の食材を県産品に切り替え、オーガニック化を目指すよう市町村に働きかけることについての御質問にお答えいたします。 宮城県学校給食会で供給している米飯は、一〇〇%県産ひとめぼれとなっているほか、パンに使用する小麦も県産の割合が五〇%に上昇するなど、学校給食での地場産物の利用拡大が推進されてきております。また、みやぎ米飯学校給食支援方式に加盟する三十二市町村のうち三十市町村において可能な限り環境保全米であるひとめぼれ一等米が提供されていると伺っております。県教育委員会としましては、児童生徒の郷土愛や環境への意識の育成にも寄与する地場産物等の積極的な活用を、引き続き市町村教育委員会に働きかけてまいります。 次に、学校と地域の農家が連携し土づくりから給食の提供までを体験する取組の県内全体への展開についての御質問にお答えいたします。 児童生徒の豊かな成長を図る上では、様々な経験を通じて、食物や生産等に関わる人々への感謝の心と地域の産物、食文化を尊重する心などを涵養することが重要と考えております。県内の八割以上の小学校で農林漁業の体験活動に取り組み、収穫時期には子供たちが自分たちで育てた作物を食べていると聞いております。県教育委員会では、引き続き関係部局や地域の生産者団体等との連携の下、食育の推進に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 警察本部長原幸太郎君。    〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕 ◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱一点目、反社会的カルト集団、統一協会の問題とジェンダー平等についての御質問のうち、警察職員を対象としたジェンダー平等に関する研修の実施のお尋ねにお答えいたします。 警察職員は、警察の職務を果たすため、法令に基づき、不偏不党、公平中正に職務に当たる旨の服務の宣誓を行っています。また、採用時や昇任時に加え、街頭活動に当たる地域や交通の警察官等に対しても、随時、様々な偏見や差別を排した人権の尊重、ジェンダー平等やレイシャル・プロファイリングに係る内容の研修等を実施しています。県警察といたしましては、今後とも、これらの研修等を継続するとともに、県民の期待に応える活動に取り組んでまいります。 次に、性暴力や痴漢に関する啓発資料及び対策についての御質問にお答えいたします。 県警察では、痴漢・盗撮の対策として、ホームページ等で主に被害に遭う女性を対象とした啓発資料のほか、加害行為の抑止に向けた啓発資料についても掲載しており、今後更にキャンペーン等で広く周知を図ることとしております。公共交通機関等への働きかけについては、駅構内や電車内において、「痴漢・盗撮は犯罪です」等、音声アナウンスによる広報啓発活動を実施しています。更に、痴漢・盗撮に抑止効果のある防犯カメラの設置を働きかけ、今年三月に駅構内に防犯カメラが二台設置されたところです。また、平素から警察官が駅構内や電車内においてパトロールを行い、犯罪の抑止のみならず、検挙活動を推進しています。特に、受験シーズンにおいては、重点的に地下鉄やJR東日本の駅構内等において警戒活動を実施しています。引き続き、検挙と警戒活動の強化に努めるとともに、性犯罪の絶無を期して強力に抑止対策を推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 職員組合、教職員組合の皆さんが繰り返し交渉し、私ども会派が九月議会で求めた子供のために使える特別休暇が実現し、本日付公報で通知されたとの答弁がありました。とってもうれしく思います。ありがとうございます。続けて質問いたします。高等学校等就学支援金の県単独補助が八百人だけでは、残り五千二百人が、国からも県からも支援の対象になっていません。切実に求められているのは、この制度の県単補助、年収上限を引き上げて、現在置き去りとなっている共働き世帯の多くを助成対象に加えることです。ここを前進させていただきたいのですが、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 総務部長志賀真幸君。 ◎総務部長(志賀真幸君) 御答弁いたしましたとおり、国の制度でもともとギャップが生じておりまして、そこを埋めるために各都道府県が努力をしている状況でございます。もともとの根本のところでございますので、国に対して引き続きしっかりと要望を行っていきたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 県自身の努力を更に求め、公私間格差の解消、保護者負担軽減のため、引き続き求めてまいります。学校給食は、子供の食生活の改善や健康な体づくりに大切なものですが、子供一人当たり年間五万円から六万円の支出ですから、子供が多い世帯ほど重い負担となります。そう思いませんか、知事、いかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) そう思います。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) そうであるならば、まずは多子世帯の給食費を市町村と共同で無償にすることを今すぐ決断すべきなのではないでしょうか。知事、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 給食費の負担について軽減を図っていくというのは、特に物価が上昇している中で大変重要なことだと考えております。先ほどもお話ししましたが、給食費についてはまず各市町村で決定していくということになります。いろいろな御意見があると思いますので、よく把握してまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) よろしくお願いします。森林を保全回復させる重要性について共通認識になりました。しかし、FIT施行の二〇一二年以降メガソーラーだけで楽天球場一千七十個分の森林が既に剥ぎ取られてしまいました。この分の森林を回復させる計画は、宮城県には一切ありません。知事、宮城の森林、本当にこのままでよいとお考えでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 先人が大切に育んできた森林というものを我々も非常に大切に考えているところでございます。そのため、規制に加えまして、今回森林の乱開発を抑制する、そして、再エネの導入を適地に誘導するという新たな税制度なども考えたところでございます。そうした規制と税の誘導、新たな適地対策に取り組む地域や市町村に対する伴走型支援など、複合的な政策を持ちまして、地域と共生した取組を推進していこうと考えております。我々としても森林というのは大切な財産だと認識してございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 私が申し上げているのは、これからどうするかではなくて、既に剥ぎ取られてしまった楽天球場一千七十個分の森林、どう回復させるのかが大事なのではないのですかとお尋ねいたしました。計画をつくる必要があるのではないでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 現在開発されたその面積でございます、再エネ施設などがそこに設置されたということでございます。森林の吸収源対策につきましては、先ほど申し上げましたが、基準年である二〇一三年度と同程度を維持するということで、吸収源対策としては非常に管理された森林ということがポイントになってまいりますので、そうしたことで吸収源対策はしっかり実施してまいりたいという計画にしているというところでございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 吸収源である森林が、これが剥ぎ取られているままでは、二〇五〇戦略のゼロカーボン、実現できないと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) ゼロカーボンを達成するためには、様々な対策が必要だと考えておりまして、ただいま申し上げました吸収源対策もございますし、エネルギーにつきましても、再エネを最大限導入していくということなどを総合的に取り組みながら目標を達成してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) ゼロカーボンを実現する上で不可欠なCO2の吸収源である森林を回復させる計画は不可欠です。そして、原発依存、石炭依存は、気候危機打開に逆行しています。ゼロカーボンは看板倒れと言わざるを得ません。引き続き追及してまいります。統一協会の問題は、報道などで把握している範囲で、国において適切に判断されていくという認識で注視していくという驚くべき答弁でございました。今国会でも、統一協会との関わりがあった大臣が辞職に追い込まれています。政治家と統一協会との癒着は、全て明らかにせよとの世論調査も圧倒的な数値になっています。これらについて、知事は一体どうお考えになっているのでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 国会議員においてはそれぞれの党が把握されていると承知しております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 知事自身の御認識を伺っております。もう一度お答えください。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 県といたしましては、これまでも各種の御相談に対して、関係部署間、更には国と関係機関などとの連携をしながら対応しておりまして、今後は、必要な実情の把握に努めながら、引き続き法令等にのっとり、適切に対応していきたいと。総務部長が答弁したとおりでございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 知事の認識と国民の認識には相当大きな隔たりを感じるのですが、知事は今も反社会的カルト集団だという認識はお持ちではないということなんでしょうか。本当にその認識でいいんでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 反社会的というと、やはり暴力団あるいはオウム真理教、そういったようなものを意識しますけれども、少なくともまだ逮捕者が誰も出ていないような状況において、そのようなことを申し上げるのは私は難しいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 本当に驚くべき答弁です。統一協会は、既に確認されているだけでも、司法判例刑事十一件、民事二十八件も法令違反、刑罰が確定している反社会的カルト組織です。知事の言う、警察が動くような違法性は既に何度も明らかになっている団体です。それなのに擁護したり、調査することさえ後ろ向きなのは、私が解釈するには、背景に宮城県出身の国会議員や県会議員の何人かが深く関わっていることがあって、だから政治的判断をもって消極的なものなのではないのかなと思うんですけども、いかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) そういうことではございません。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) そうであるならば、一体何があって、なぜこれだけ問題になっている統一協会を擁護するのでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 国において、宗教法人法に基づく質問権が今行使されておりますので、まずはそれをしっかりと静観していくというのが、知事としての立場として正しいことであると思っているからであります。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 知事は、「私がどの候補者を応援するのかは私が決める」とおっしゃっておられました。しかし、統一協会との関係や癒着が既に指摘されているにもかかわらず、自ら公表、反省、謝罪をせず、関係を断ち切らないままの政治家を選挙で応援するということは、間接的に村井知事自身が広告塔としてみなされることになってしまいますけれども、本当にそれでよいのでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 政治家を決めるのは、たった一件の、ワンイシューで決めるものではなくて、全体を見て決めるべきものであると思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 統一協会問題について、地方政治の場でもうやむやにしたままでは世論が許しません。それは、民主主義を冒涜することにつながることを指摘して、これで終わります。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    午後零時三分休憩-----------------------------------    午後一時十分再開 ○副議長(池田憲彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十八番遠藤伸幸君。    〔二十八番 遠藤伸幸君登壇〕 ◆二十八番(遠藤伸幸君) 公明党県議団の遠藤伸幸です。議長のお許しをいただきましたので、大綱六点について質問をさせていただきます。 大綱一点目、こども・子育て政策について伺います。 長引くコロナ禍の影響で、少子化や人口減少が加速しています。十一月二十五日に厚生労働省が発表した人口動態統計速報によると、今年一月から九月までに国内で生まれた子供の数は五十九万九千六百三十六人で、去年の同じ時期と比べて三万人以上減り、十二月までこのペースのまま推移すれば、今年は統計開始以来初めて八十万人を下回る可能性があります。少子化が想定よりも八年早いスピードで進む危機的な状況を踏まえ、岸田首相は子供関連予算の倍増の方針を示しましたが、今月二日に成立した政府の今年度第二次補正予算には、その一環として新たに一千二百六十七億円の出産・子育て応援交付金が創設されました。これは、比較的支援が手薄なゼロ歳から二歳の低年齢期に焦点を当てて、妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援と十万円相当の経済的支援を一体的に行うもので、今回限りではなく来年度以降も継続して実施する方針が示されています。実施主体は市町村で、補助率は国三分の二、都道府県と市町村がそれぞれ六分の一となっています。本県でも県内全ての市町村でこの事業が円滑に実施できるよう、県としてしっかりとサポートしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、経済的支援は、出産育児用品の購入や家事支援サービス等の利用に使えるクーポンの配布が基本となっていますが、子育て家庭の利便性を考えれば、県内全域でクーポンを使用できるようにするべきです。東京都では先行して新生児一人当たり十万円相当の電子クーポンを付与していますが、本県でも市町村が共通して参加できるプラットフォームを構築してはどうかと思いますが、御所見を伺います。 次に、子供の声を政策に反映する取組について伺います。 来年四月に施行されるこども基本法は、子供施策を策定・実施・評価するに当たって、子供の意見を反映することを国や地方公共団体に対して義務づける規定を設けました。未来を担う子供の声を聴かずして、これからの日本、宮城はありません。アンケートや懇談会など多様な手法を組み合わせて、子供の意見を継続的に聴き、政策に反映させていくための仕組みづくりを進めていくべきと考えますが、本県では今後どのように取り組んでいくのか伺います。 また、併せて子供の声を代弁する第三者機関を設けるべきであります。全国では、子供の声に耳を傾け、関係者と機関の間をつなぎ、問題の解決を図り、時には制度の改正を提言していく、子どもオンブズパーソン制度を導入している自治体があります。本県でも早期導入を求めますが、御所見を伺います。 子育て支援に関連して、子供の弱視対策について伺います。 弱視の子供は、五十人に一人ほどいるとされ、目の機能が発達する六歳頃までの早期発見・治療が欠かせません。弱視の発見には三歳児健診の際、専用機器を用いて、ピントのずれを調べる屈折検査が有効ですが、機器の購入には一台当たり百二十万円ほどかかるため、厚生労働省は今年度から市町村に対し機器購入費用の半額を補助する制度を創設しました。公益社団法人日本眼科医会が今年六月に実施したアンケートによると、全国の市町村の約七〇%が今年度中に三歳児健診に屈折検査を導入すると回答しました。群馬県や富山県、高知県など既に実施率一〇〇%を達成している県もあります。しかし、本県ではまだ実施率が四二%にとどまっており、全国に比べて立ち後れている状況です。他県では市町村の負担分の半額を県が補助したり、各保健所から機器を貸し出したりしている例もありますので、本県でも早期に全市町村で屈折検査が行えるよう取り組んでいただきたいと思いますが、御所見を伺います。 大綱二点目、四病院再編について伺います。 県立がんセンターと仙台赤十字病院を統合し、県立精神医療センターと東北労災病院を合築する四病院二拠点化構想について、公明党県議団では一貫して再編の必要性やメリット等をデータに基づいて県民に丁寧に説明するとともに、患者・家族、病院職員、医師会、地域住民の声を重く受け止めるよう求めてきたところです。私は、今年二月の定例会一般質問で、特に病院がなくなる可能性がある地域に対し、県が責任を持って説明を尽くし、住民の声を受け止めていくよう訴えました。病院再編が地域医療の充実という目的を達成するためには、何よりも県民の理解を得ていくことが重要であると考えるからです。公明党県議団では、全国の公立・公的病院の再編統合に関わってきた専門家に第三者の立場から意見を聴くとともに、各地の病院再編の事例を調査してまいりました。専門家は、「急性期を再編統合して医師や看護師を拠点病院に集めるという宮城県の方向性は正しいが、進め方がとても強引に見える。」と苦言を呈しておりました。全国の病院の再編・統合事例を見ると、強い反対運動が起こっても住民の声を丁寧に聴き、その意見を計画に取り入れることで最終的に大方の理解を得て、再編統合を成功させた事例もあります。例えば、石川県加賀市の加賀市民病院と山中温泉医療センターの統合事例があります。両病院の統合には、地元住民から強い反対運動が起き、現職市長が落選する事態に至りましたが、選挙後、新市長が設置した第三者の専門家から成る検証委員会は、市民が三分間自由に発言する市民の意見を聴く会を開くなど、住民を巻き込んだ議論を展開。最終的には、病院統合は適当であるという報告書がまとめられましたが、住民の意見が計画に反映された結果、目立った反対論はなくなり、無事両病院を統合した医療センターが開院。二十五の診療科を備えた病院は、研修医や医学生が集まる人気病院になり、救急患者もほぼ断ることがなくなり、地域住民の安心を守る拠点としての機能を果たしているとのことです。また、新潟県では、現在県央医療圏で県立病院や労災病院など公立・公的五病院の急性期機能を集約し、基幹病院を整備する医療再編に取り組んでおりますが、過去に県南部の魚沼医療圏で行った病院再編の反省も踏まえ、住民の理解と協力があってこその再編であるとの認識の下、情報発信に非常に力を入れております。節目節目で住民説明会を開催することはもちろん、新聞、テレビ、ラジオといったメディアやSNSでの発信に取り組んでおり、昨年九月から今年九月までの一年間で、県が行った情報発信は百五十回を超えたとのことでした。同県の地域医療政策課の担当者は、「情報を発信しないと都合の悪いことを隠しているのではないかという疑念を持たれるため、間断なく進捗情報を提供している。」と強調しておりました。翻って本県では、今年九月一般県民向けに初めて仙台医療圏の課題等を説明する地域医療構想セミナーを開催しました。私も参加させていただきましたが、四病院再編の具体的内容については説明がなく、また質疑応答の時間も限られたため参加した方々の多くにとっては物足りない内容ではなかったかと思います。まだ各病院の経営主体との基本合意の前であり、御破算の可能性もゼロではないことを踏まえれば、具体的な内容を話せる段階ではないという県の説明はある程度理解するものではありますが、しかし住民の皆さんは何も意見を言う機会が与えられないままで基本合意が発表されることに強い不安と不満を抱かれております。県は、基本合意の前でも診療科や病床規模など新病院の具体的な検討が進めば、その都度できる限りの情報提供に努めると答弁してまいりました。基本合意の前に、再度、県主催の県民向け説明会・セミナーを開催し、四病院再編の必要性や具体的内容について丁寧に説明するとともに、県民の声を聴くべきと思いますが、知事の御所見を伺います。 また、県は、年度内の早い時期に基本合意を目指すとしてきましたが、年は越すことになるとの知事の発言もありました。年度内に合意が得られる見通しが立っているのかどうか、議論の進捗状況について伺います。 さて、九月に開かれた地域医療構想セミナーでは、仙台医療圏は急性期病床が過剰である一方、回復期病床が全国と比べても圧倒的に不足しているとのデータが示され、状況の打開に向けては、まず急性期の集約と効率化を図ることが合理的との説明がありました。この説明どおり、県では急性期四病院の統合・合築という大なたを振ろうとしています。しかし、肝腎の回復期病床の確保について、県は民間医療機関の主体的取組を前提とし、地域医療介護確保基金などを活用しながらサポートするとの方針にとどまっており、本当に回復期病床の整備が進むのか疑問があります。他の病院再編の例では、急性期病院を集約し基幹病院を建設する一方、既存の急性期病院の建物をそのまま活用して、回復期病院に衣替えするという手法が多く用いられております。仙台医療圏の再編も回復期病床をどこで増やすのかを明確にするべきです。そこで提案ですが、今回再編対象の東北労災病院は、二〇〇三年に新病棟が完成しており、建物自体はまだあと二、三十年は利用可能ではないかと思います。仮に移転となった場合、約五百五十床ある病床を潰してしまうのはあまりにももったいない、回復期病床として有効活用すべきと考えます。仙台市中心部に近い人口密集地域に数百床規模の回復期病院ができれば、救急医療の後方支援病院としても大きな役割を果たすことが期待されます。また、外来や休日夜間の初期救急がある程度維持されれば、地域住民からも理解が得られるのではないでしょうか。今後、東北労災病院の移転が決まった場合には、回復期病床の確保に向け、労働者健康安全機構の協力を得て、同病院跡地への県内外の医療法人等の誘致に向けた調整を県のリーダーシップの下で行うべきと考えますが、知事の御所見を伺います。 次に、病院再編について二点確認します。 一つは医療従事者の確保についてです。 県立がんセンターと仙台赤十字病院は二病院を一つにするため、医師や看護師が不足する状況にはなりにくいと思いますが、県立精神医療センターと東北労災病院はあくまで別の病院として整備されることから、それぞれ職員を確保しなければなりません。両病院の職員アンケートの結果からは、相当数の職員の離職も想定され、人手不足に陥る可能性も低くないのではないかと思います。全国の病院再編では、想定どおりに医師や看護師を確保できないという事例が散見されます。例えば、新潟県の魚沼医療圏の再編では、新設の基幹病院に新潟大学医学部の研修センターを併設するなどで医師は確保できたものの、看護師の確保に難航しており、二〇一五年の開院当初は全四百五十四床のうち三百四十床しか稼働できず、現在でも四百十六床の稼働にとどまっているとのことでした。職員数は、病院の収益に直結し、人材を確保できなければたちまち赤字が膨らみ、経営が行き詰まります。東北労災病院と精神医療センターが職員不足に陥るリスクについて、県はどのように考えているのか伺います。 次に、県立がんセンターについて伺います。 県は、十一月十日に仙台市に提出した文書の中で、県立がんセンターと仙台赤十字病院が統合してできる新病院について「がん診療連携拠点病院の位置づけを引き継ぐものと考えており、研究所機能については、より大きな成果が期待される東北大学病院や東北医科薬科大学病院が中心となって担っていくことを念頭に検討している。」と、説明しています。がん診療連携拠点病院には、都道府県のがん医療の拠点となる都道府県がん診療連携拠点病院と二次医療圏の拠点となる地域がん診療連携拠点病院がありますが、県立がんセンターは都道府県がん診療連携拠点病院の指定を受けております。新病院も同様の指定を受けることを目指すと考えてよいか確認します。また、研究所機能については、東北大学病院や東北医科薬科大学病院に任せるとのことでありますが、県として両大学病院にがん研究に関する財政支援等を行うのか、お聞かせください。 大綱三点目、帯状疱疹の予防について伺います。 帯状疱疹は子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが成人後も神経の中に残り、加齢や疲労、ストレスなどによる免疫力の低下で再活性化することで発症する病気です。発症すると皮膚に赤い発疹が帯状に出て激しい痛みを伴います。八十歳までに三人に一人が発症、治療が長引くケースも多く、皮膚症状が治まった後も神経痛が長期間続いたり、顔面神経麻痺や難聴になったりするなど後遺症に悩まされるケースも少なくありません。今、コロナ禍による外出控えや心身のストレスの増大により、この帯状疱疹を発症する人が増えております。また、医療関係者からは、新型コロナウイルスに罹患した人は帯状疱疹を発症するリスクが高いという研究結果も報告されております。実は、私自身も昨年夏に帯状疱疹を発症しました。左肩から首筋にかけて発疹が広がり、ズキンズキンという神経の痛みと皮膚のかゆみが絶え間なく襲い、夜も眠れないほどでした。完治までには一か月以上要し、幸い後遺症は残りませんでしたが、痛みがある間は生活や仕事に支障を来しましたので、もう二度とかかりたくはないと強く思っているところです。製薬会社の推計によると日本における帯状疱疹の患者は、六十五歳以上で年間約四十二万人、その医療費は年約二百六十億円と推計されております。本県では年間七千七百二十人、医療費は年約四億八千万円です。高齢化による患者の増加で医療費の負担は保険者にとってますます重くなっていくため、発症の予防に向けた取組が重要であると考えます。この帯状疱疹の発症予防には、有効なワクチンが開発されており、不活化ワクチンであれば発症予防効果は九〇%以上、九年間は効果が持続すると報告されています。ただ、接種費用は、一回二万一千円で二回接種が必要になることから、多くの高齢者から費用の助成を求める声が寄せられております。現在、全国四十七自治体で帯状疱疹ワクチン接種に対する助成を行っており、本県でも川崎町で助成制度を創設しております。また、国の厚生科学審議会において、定期接種化の検討が進められているとのことですが、県としても定期接種化を国に強く求めるとともに、ワクチンの接種を助成する市町村を支援する制度の創設を求めますが、御所見を伺います。 大綱四点目、ギャンブル依存症対策について伺います。 この問題については、さきの九月定例会一般質問でも自由民主党・県民会議の庄田圭佑議員が取り上げられ、知事からは来年度中に県の対策基本計画を策定する方針が示されたところですが、私からも改めて対策が急務であると訴えさせていただきます。近年、スマホの普及やコロナ禍の影響で、インターネットを使ったギャンブルにのめり込む人が増えています。以前はどこかに出かけなければできなかったギャンブルは、今や三百六十五日二十四時間利用できる時代となり、加えてオンライン決済のために金銭感覚を失いやすく、いつの間にか多額の負債を抱えてしまう人が若者を中心に増加しております。そして、窃盗や横領をはじめとした犯罪や貧困、自殺、虐待等の社会問題の深刻化につながっています。ギャンブルにのめり込んで日常生活や社会生活に支障を来すギャンブル依存症は、WHOの国際疾病分類に位置づけられた精神疾患の一つでありますが、病気であるということが認知されておらず、適切な治療や支援につながらずに何度も繰り返してしまうことが多いのが実態です。公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会によると、この病気の回復に向けては、家族などが借金の肩代わりをしないことが必須でありますが、正しい対応が分からず家族だけで解決しようとして症状が悪化してしまうケースが多いとのことであります。二〇一八年に施行されたギャンブル等依存症対策基本法では、国や地方公共団体に対してこの病気の周知啓発や相談支援、社会復帰支援、医療提供体制の整備、連携協力体制の整備等を求めております。今後、県では、対策基本計画を策定する中で具体的施策を検討することになると思いますが、私は特に医療、福祉、警察、司法等の関係機関と当事者団体との連携協力体制の構築を急ぐべきと考えます。他県では対策計画の策定を機にギャンブル等依存症対策推進協議会をつくっている例がありますが、本県でも会議体の設置も含め、早期に連携協力体制を構築すべきと考えますが、御所見を伺います。 次に、コロナ禍以降、社会問題化したオンラインカジノについて伺います。 オンラインカジノをめぐっては、山口県阿武町でコロナ対策の給付金四千六百三十万円を誤って振り込まれた男が、僅か十日余りの間にほぼ全額をオンラインカジノにつぎ込んだと供述したことで注目を集めました。オンラインカジノは、短期間で高額な債務を負う傾向が強いことから、規制強化を求める声が高まり、今年六月の衆議院予算委員会で、岸田首相はオンラインカジノは違法なものであり、関係省庁が連携し厳正な取締りを行うと表明、十月二十四日からは警察庁と消費者庁が合同で、海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本から接続して賭博を行うことは犯罪であり、絶対にやめるよう呼びかける注意喚起を行っています。ただ、現在も動画配信サイトではオンラインカジノに興じる動画が流され、SNS上ではオンラインカジノが合法であるかのような書き込みも散見されます。オンラインカジノについて、一層の注意喚起と取締りの強化が必要と考えますが、警察本部長の御所見を伺います。 次に、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会の調査によると、この病気を発症する当事者は、二十代から四十代の若い世代が最も多く、大学生や大学院生が発症すると約三割が中退に追い込まれるとのことです。高校時代からの予防教育が重要と考えますが、教育長のお考えをお聞きします。 大綱五点目、動物愛護行政について伺います。 私は、平成二十八年九月定例会の一般質問で、犬猫の殺処分ゼロに向けた取組の強化を訴えて以降、何度かこの問題を取り上げてきましたが、県ではこの間飼い主のいない猫の不妊去勢手術の助成の大幅な拡充をはじめ、犬猫の返還・譲渡の推進、ふるさと納税の動物愛護への活用、子猫のミルクボランティアの導入等、着実に対策を前進させてきました。その結果、県動物愛護センターで焼却処分をした犬猫は、平成二十八年度には八百四十七頭でしたが、令和三年度は七十四頭まで減りました。担当者やボランティアの皆様の御努力に敬意を表したいと思います。ただ、環境省が令和二年度の全国の犬猫の引取り状況及び処分の状況をまとめた表を見ると、本県は他県と比べて猫の引取り件数が多く、収容中に死亡する子猫の数も多い状況です。飼い主のいない猫の増加を防ぐ取組を更に推進する必要があると考えます。本県が平成二十六年度から県獣医師会とともに実施している飼い主のいない猫の不妊去勢手術の助成について、県予算は制度開始当初の六十万円から今年度は七百万円へと拡充をしていますが、需要が多く、年内で予算を使い切ってしまい、年明けから三月までの手術には補助金が出ないという状況です。通年でできるよう予算を更に拡充すべきと思いますが、いかがでしょうか。 また、この事業について動物愛護ボランティアの方々からは、運用を改善してほしいとの声もいただいております。この事業の補助金を受けられるのは、県獣医師会の会員病院で手術を実施した人に限られています。動物愛護団体の中には、定期的に獣医師を招いて猫の不妊去勢手術を実施している団体もありますが、こちらで手術した場合、補助金は受けられません。また、補助金は、手術後に個人の口座に振り込まれるため、まず全額を用意しなければならないのも負担が重いとの声もいただいております。同様の助成事業がある高知県では、手術費用から県の補助金を引いた金額だけを動物病院の窓口で支払えばよいという制度にしています。飼い主のいない猫の不妊去勢事業がより利用しやすい事業となるよう現場の声を聴きながら、運用の見直しを図っていただきたいと思いますが、御所見を伺います。 次に、宮城県動物愛護センターについて伺います。 動物愛護センターは、犬猫の収容、殺処分、焼却の一貫性を備えた施設として、平成元年に開設されました。築三十四年が経過し、老朽化が進んできており、改修や建て替えなど今後の在り方を検討する時期に入ってきていると思います。近年、全国的に動物愛護センターの建て替えが相次いでおりますが、殺処分機や焼却施設を廃止する施設が増えております。令和元年度に建て替えた神奈川県でも「動物を処分する施設から生かすための施設へ」を合い言葉に、殺処分機や焼却施設を持たない代わりに、飼育スペースや医療機器を充実させたセンターをオープンさせました。本県の動物愛護センターでは、ここ五年間は炭酸ガスの殺処分機は稼働させておらず、焼却施設の稼働も年に数回にとどまっているとのことです。いよいよ本県もセンターから殺処分関連設備を取り払い、時代の要請に合わせた文字どおりの動物愛護拠点としていく時期を迎えたのではないかと思います。宮城県動物愛護センターの今後の在り方についての検討会を早期に立ち上げることを提案しますが、知事の御所見を伺います。 最後に、大綱六点目、水道事業の諸課題について伺います。 近年、全国的に水道管の老朽化による漏水や断水といった事故が多発しています。昨年十月、和歌山市では、水管橋が崩落し、一週間にわたり市内の四割に当たる六万戸が断水。今年五月には、静岡県菊川市で水道管が破損し、三日間約六千七百世帯で断水が発生しました。県内でも、今年七月に仙台市青葉区台原で水道管が破裂し、一時約二万二千二百戸で断水や濁水が発生しました。いずれも水道管の老朽化が原因と見られています。本県の水道管の総延長一万七千百八十三キロメートルのうち、四十年の法定耐用年数を超過している管路の割合は二三・八%で、全国平均二〇・六%を上回っております。今後、管路の更新を急ぐ必要がありますが、多額の費用がかかることから管路の老朽化や漏水状況を的確に見極めながら、優先順位を決めて投資を行っていかなければなりません。しかし、管路の状態把握は、一度掘り起こして目視で確認する必要があるなど、時間と費用、労力がかかり、なかなか進まないのが実情です。こうした中、全国ではAIや衛星画像解析など最新の技術を導入して、課題を克服しようとしている自治体があります。愛知県豊田市では、全国で初めて人工衛星の画像から水漏れの可能性のある区域を特定する技術を導入しました。どのような仕組みかというと、まず人工衛星だいち二号が特定エリアの画像を撮影した後、地球に向けてマイクロ波を放射します。マイクロ波は、地下約二メートルの深さまで浸透し、塩素を含む水道水に当たると、他と異なった反射が得られます。その反射特性を撮影画像に登録し、配管データなどと組み合わせてAIで解析することで、漏水している場所を推定できるという技術です。同市では、令和二年九月から令和三年四月にかけて、この技術を使った漏水調査を実施し、延長二千二百十キロメートルの水道管から漏水可能性区域を二百五十七キロメートルに絞り込み、うち二百五十九か所で漏水を発見しました。漏水調査の期間は、五年から七か月に短縮され、コストも約十分の一に削減したとのことです。現在は、日本のベンチャー企業とともに、より画像解析の精度を向上させた漏水調査の実証実験を行っております。先日、公明党県議団でもこの取組を視察しましたが、既に五十を超える自治体がこの技術の導入に向けて予算化を進めているとのことでありました。同市の担当者によりますと、複数の自治体が連携して依頼すれば、費用は更に抑えられるとのことであります。本県でも、漏水調査の効率化や管路の更新、修繕の効率化に向けて、市町村と連携して県の広域水道のみならず、市町村の水道事業にこの技術の活用を検討してはどうかと考えますが、御所見を伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 遠藤伸幸議員の一般質問にお答えいたします。大綱六点ございました。 まず、大綱一点目、こども・子育て政策についての御質問にお答えいたします。 初めに、子供の声の政策への反映についてのお尋ねにお答えいたします。 今年六月に成立し、来年四月に施行されるこども基本法では、国及び地方自治体が子供施策を策定、実施、評価するに当たって、子供や養育者、関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じることとされております。県では、これまでもみやぎ子ども・子育て幸福計画や子どもの貧困対策計画策定時に、青少年モニターを活用した子供との意見交換や施設に出向いての意見聴取、関係団体からのヒアリングなどを実施し、計画に反映するよう努めてまいりました。現在、国においては法施行を前に、有識者によるこどもの意見反映プロセスの在り方に関する検討委員会を設置し、国内外の取組事例やモデル事業実施など、子供・若者から意見を聴くための具体的な仕組みの構築に向けて検討を進めているとのことであります。県といたしましても、今後の国の議論を参考にしながら、子供政策の決定過程における子供の意見聴取とその反映の具体的手法などについて検討してまいります。 次に、屈折検査の取組についての御質問にお答えいたします。 弱視の発見のために有用とされている屈折検査については、県としても早期に治療へつなげるために、三歳児健診における導入が望ましいと認識しております。このため、市町村の実施状況を取りまとめ情報提供を行うとともに、宮城県眼科医会の協力の下、視覚検査のポイントや屈折検査機器の操作について、市町村担当者向けの研修を行ってまいりました。その結果、現在国の補助も活用し十六市町村で屈折検査を実施しており、残りの市町村も導入に向けた検討が行われていると伺っております。県といたしましては、引き続き屈折検査の早期導入に向けた支援を行ってまいります。 次に、大綱二点目、四病院再編についての御質問にお答えいたします。 初めに、基本合意前に再度県民向け説明会を開催し、県民の声を聴くべきとのお尋ねにお答えいたします。 これまで、仙台医療圏の市町村長会議や地域医療構想調整会議、また九月十一日に実施した地域医療構想セミナー等の場で説明するとともに意見を伺ってまいりました。こうした中で、病院再編の検討の必要性や新病院の整備候補地、また新病院の具体像などについては、これまでも御説明をしてきたところであります。その方向性を踏まえ、現在協議中でありますので、基本合意として取りまとめることができましたら改めて丁寧に御説明してまいります。 次に、基本合意の見通しについての御質問にお答えいたします。 基本合意につきましては、これまでどおり年度内の締結を目指しております。現在、病床の規模、主な診療科、整備場所、運用主体などの新病院の具体的な内容について、日本赤十字社及び労働者健康安全機構と鋭意協議を進めているところであります。 次に、大綱四点目、ギャンブル依存症対策についての御質問のうち、関係機関と当事者団体との連携協力体制の構築についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、ギャンブル等依存症対策を推進するために、来年度末までにその基本となるギャンブル等依存症対策推進計画を策定することとしております。計画の策定に当たっては、保健医療や福祉、警察等の関係機関や当事者団体で構成する会議体の設置を予定しており、それぞれの役割や取組などの議論を通じて、互いに連携が図られるよう協力体制を構築するとともに、計画の進捗管理等にも関与いただきたいと考えております。今後、会議体の設置に向けて関係機関等との調整を進めてまいります。 次に、大綱五点目、動物愛護行政についての御質問のうち、不妊去勢事業の予算拡充についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、飼い主不明の猫による無秩序な繁殖を抑制するため、平成二十六年度から宮城県獣医師会と連携して飼い主のいない猫の不妊去勢事業の取組を進め、昨年度までに四千七百二十三頭の不妊去勢手術を実施しております。また、令和元年度からは予算を拡充し、手術可能な頭数を六百頭から八百頭に増やすなど事業を拡充してまいりました。県といたしましては、飼い主不明の猫の削減には不妊去勢措置が有効であると認識していることから、手術可能な頭数や予算の拡充について、県獣医師会と協議しながら、増額も含め引き続き検討してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 公営企業管理者佐藤達也君。    〔公営企業管理者 佐藤達也君登壇〕 ◎公営企業管理者(佐藤達也君) 大綱六点目、水道事業の諸課題についての御質問にお答えいたします。 水道は県民生活を支える重要な社会資本であり、特に広域水道において漏水が発生した場合にはその影響が広範囲に及ぶことから、県ではこれまで東日本大震災の教訓を踏まえ、水管橋の耐震化や伸縮可とう管の補強を重点的に実施してきたほか、将来到来する管路の本格的な更新を見据え、埋設管路の調査に今年度から着手するなど老朽化に起因する漏水等の防止にも努めているところであります。一方、市町村においては、耐用年数を超過した水道管が膨大な延長になるにもかかわらず、漏水調査は人手による音聴調査、音を聞いて漏水の有無を判定する調査のことですが、この音聴調査が主流であることから多くの労力と時間を要しており、漏水箇所の早期把握と管路更新の効率化が大きな課題であると認識しております。御提案のありましたAIや衛星画像解析などを活用した漏水調査等については、新しい技術であることから先進事例の状況やその有効性・効率性等を把握するとともに、市町村とも情報を共有しながらその活用について検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 環境生活部長佐藤靖彦君。    〔環境生活部長 佐藤靖彦君〕 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 大綱五点目、動物愛護行政についての御質問のうち、不妊去勢事業の運用の見直しについてのお尋ねにお答えいたします。 飼い主のいない猫の不妊去勢事業の実施に当たっては、人なれしておらず感染症や寄生虫等のリスクが高い猫の手術への迅速な対応を適切に行うとともに、協力いただける動物病院を県内全域で確保する必要があります。そのため、制度創設時から相互に費用を負担しながら、動物病院のほとんどが会員である県獣医師会を実施主体として事業を展開してきたところです。こうしたことから、現状では県獣医師会の会員病院に実施施設が限定されているところですが、御提案のありました対象施設の拡大や利用者の支払い方法の変更については、県獣医師会と協議しながら、より利用しやすいものとなるよう検討してまいります。 次に、動物愛護センターの在り方検討についての御質問にお答えいたします。 動物愛護センターは、県の動物愛護及び管理の拠点として平成元年に設置され、動物愛護思想の普及啓発や動物の正しい飼い方の指導における中心的な役割を担ってまいりました。近年では、殺処分数の減少により殺処分設備の稼働はほとんどなく、動物焼却炉の稼働も年に数回にとどまる一方で、更なる譲渡推進のためには収容施設の必要性が高まることが想定されるところです。県といたしましては、引き続き宮城県動物愛護推進協議会の意見も伺いながら、宮城県動物愛護管理推進計画に基づく様々な施策を実施し、殺処分ゼロを目指すとともに、今後のセンター機能の在り方については施設の耐用年数なども勘案しつつ、検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、こども・子育て政策についての御質問のうち、出産・子育て応援交付金についてのお尋ねにお答えいたします。 妊娠初期から産後間もない期間内に三回の面談を実施する伴走型相談支援と、妊娠届と出生届時の二度に分けて合計十万円相当を支給する経済的支援を組み合わせた今回の支援策は、子育て家庭のニーズを踏まえて国が全国的に取り組むべきものとして創設したものと認識しております。子育て支援を担う市町村では、地域の実情に合わせた相談体制を構築し、出産祝い金やカタログギフトなどの経済的支援を独自に実施しており、現在、国から示された交付金を効果的に活用するための方策や実施手法を検討中であります。県といたしましては、クーポン、カタログギフト、現金など様々な選択肢がある中で、子育て世帯の利便性や市町村の意向を踏まえながら、県内市町村が円滑に事業を実施できるよう必要なサポートを行ってまいります。 次に、子供の声を代弁する第三者機関の導入についての御質問にお答えいたします。 県では、子供の意見表明等を支援する取組として、児童相談所一時保護所や県内の一部の児童養護施設において、入所児童から外部の第三者が定期的に意見を聴くモデル事業を実施しております。今後の児童養護施設等における本格実施については、現在国の調査研究事業が行われていることから、その成果を参考にするとともに全ての子供を対象とする第三者機関の設置については国の検討状況や他県の動向を注視してまいります。 次に、大綱二点目、四病院再編についての御質問のうち、病院跡地への医療法人等の誘致に向けた調整についてのお尋ねにお答えいたします。 東北労災病院移転跡地への医療法人の誘致については、民間の病院ですので、その跡地に県の意向で何らかの施設を誘致することは難しいものと考えております。県としましては、回復期病床の確保・充実に向けて、引き続き病床機能転換への補助や要請を行ってまいります。これに加えて、新たに地域医療構想や将来の医療需要を踏まえた回復期機能への転換の必要性について、医療機関の理解を更に深め、自主的な取組を促進する契機とするため、医療機関や市町村等を対象としたセミナーを開催する予定としております。 次に、東北労災病院と県立精神医療センターが職員不足に陥るリスクについての御質問にお答えいたします。 病院の運営を支えるための人材の確保は重要であります。新病院の具体的な姿がまとまりましたら、職員にも説明をし、理解を求めてまいります。また、職員アンケートにおいて出された通勤や交代制などに関しての不安につきましては、様々な対応策を関係者間で十分に検討していくとともに、職員がやりがいや魅力を感じられる病院を目指してまいります。 次に、新病院の都道府県がん診療連携拠点病院の指定及び大学病院への財政支援等についての御質問にお答えいたします。 新病院の整備に当たっては、がん診療連携拠点病院の位置づけを引き継ぐ方向であり、現在検討している新病院が備えるべき診療機能に応じて、がん診療連携拠点病院の水準も決まることになります。また、研究所機能は、東北大学病院などとの機能分担や連携により、我が県のがん政策において必要な機能を維持してまいりますが、大学病院のがん研究に関する財政支援については今後大学と協議してまいります。 次に、大綱三点目、帯状疱疹予防についての御質問にお答えいたします。 帯状疱疹は、水痘に感染した後体内に潜伏しているウイルスが免疫機能の低下により再活性化することによって発症し、国立感染症研究所の報告によると加齢が重要なリスク因子とされております。帯状疱疹の発症予防にはワクチン接種が有効とされ、予防接種法に定められていない任意接種として、五十歳以上の方が適用となっているところですが、現在、定期接種化に向けて国の厚生科学審議会において期待される効果や導入年齢に関する議論が行われております。県といたしましては、定期接種化についての国の動向を注視しながら、市町村に対しての情報提供等の支援をしてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱四点目、ギャンブル依存症対策についての御質問のうち、高校における今後の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 ギャンブル等は、開始年齢が早いほど依存症に陥りやすいとされ、学校においてもその予防に関する指導を行うことが大切であると認識しております。平成三十年三月に公示された新しい高等学校学習指導要領では、保健体育の授業においてギャンブル等依存症についても取り上げて学ぶことが示されました。これを受け、県教育委員会では、国からの啓発資料や指導用参考資料等を県立学校に周知し、積極的な活用と指導の推進を働きかけてきたところです。今後とも生徒が生涯を通じて健康な生活を送る基礎を培うことができるよう、各学校に関係機関や家庭とも連携した取組を促してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 警察本部長原幸太郎君。    〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕 ◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱四点目、ギャンブル依存症対策についての御質問のうち、オンラインカジノに関する注意喚起と取締りの強化についてのお尋ねにお答えいたします。 オンラインカジノに係る賭博行為は、刑法の賭博罪に抵触するものです。しかしながら、日本では違法ではありませんなどと、犯罪ではないとの誤った情報を発信している動画等も認められます。県民が犯罪に巻き込まれないために広く注意を促すことは、極めて重要であると認識しています。県警察といたしましては、啓発ポスターを活用するなどして、オンラインカジノは、賭博に該当する違法行為であることの周知を図るほか、違法な行動が広がらないようあらゆる警察活動を通じて広報啓発に努めています。また、サイバーパトロールをはじめ違法情報を入手した場合は、取締りを行うなど、法と証拠に照らし、厳正に対処してまいります。 以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 二十八番遠藤伸幸君。 ◆二十八番(遠藤伸幸君) 御答弁ありがとうございました。まず、四病院再編について再質問をいたします。仙台医療圏の病床数についてですけれども、二〇二一年の病床機能報告によると、二〇二五年の必要病床に対して高度急性期と急性期は二千五百二十四床過剰なのに対し、回復期と慢性期病床は合計二千八百三十七床足りないとされております。県は、先ほど御答弁ありましたが、民間医療機関の自主的な取組により回復期病床を確保すると言っておりますけれども、令和四年度の地域医療構想調整会議の資料によれば、今後二〇二五年までに病床機能の変更を予定している病院は五病院、回復期と慢性期は合計で二十七床しか増えません。これまでも急性期から回復期への病床転換というのはほとんど行われていないと思いますけれども、この状況を知事はどう認識していますか。 ○副議長(池田憲彦君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 先ほど御答弁申し上げましたけれども、これまで県の施策といたしましては、補助や要請という形で行っておりました。また、地域医療構想調整会議で議題として合意形成するという手法もありますが、先ほど答弁申しましたように自主的な取組を促すために、新たに今年度中に医療機関向けのセミナーを行うなどして、各医療機関に実態の御理解と、それからスムーズな展開に向けた助言、指導を行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(池田憲彦君) 二十八番遠藤伸幸君。 ◆二十八番(遠藤伸幸君) 地域医療構想が平成二十八年に策定されてしばらくたつんですけれども、当初から回復期病床が少ないと言われていて、それは課題だと言われていて、これまでそれがしっかり進んだのかどうか、それをちょっとお聞きしたいんです。どういう御認識なのか。 ○副議長(池田憲彦君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 先ほど議員から数字の御紹介もありましたけれども、特に仙台医療圏においてはその課題が残っておりまして、回復期への病床転換を進めるべきだという課題認識を持っております。 ○副議長(池田憲彦君) 二十八番遠藤伸幸君。 ◆二十八番(遠藤伸幸君) 仙台医療圏で不足しているこの回復期をどう必要病床に近づけていくかということは、今のところ非常に難しい課題だと思います。地域医療構想調整会議でも県の積極的な取組を求める声が上がっておりましたけれども、私は具体策としてこの東北労災病院の跡地を……。移転が決まったわけではないですし、私は別に賛成か反対か決めておりませんけれども、これがもし決まった場合には、回復期病院として活用することを提案したわけでございますが、これ、検討する価値はないと考えていらっしゃいますか。 ○副議長(池田憲彦君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 非常に現実性のある御提案だと思っております。ただ、先ほど申しましたように、我々県としてはいわゆる政策医療と言われている救急、周産期、あるいは災害医療、がん、こういったところの再編について特に力を入れてますけれども、回復期等の分野においてはやはり具体的に民間の運営主体がどのように行動するかということが主であると思っておりますので、必要な情報提供等の面では支援してまいりたいと考えております。 ○副議長(池田憲彦君) 二十八番遠藤伸幸君。 ◆二十八番(遠藤伸幸君) 今まで自主的な取組を促してきたけれども進んでないという現実があるわけで、このままいくと本当に必要病床に足りない状況が、回らなくなっていくという状況が出てくるわけで、やはりそこは県がしっかりとリーダーシップを執ってやっていただきたいということが地域医療構想調整会議でも出ているわけでございます。御答弁によりますと、労災病院は土地建物を県が所有しているわけではないので、誘致を求めることはできないというようなことですけれども、二月定例会で私の質問に対して知事は「今回の病院再編は私が仙台医療圏を中心とした政策医療の課題を踏まえて、最も望ましい解決の枠組みとして提案し、五者で検討を進めることを合意したものであります。」と、答弁しておりました。これと同じように仙台医療圏の最大の課題である回復期病床の増床に向けて、労働者健康安全機構に病院跡地の利用について提案してもいいのではないかと。病床の転換のために財政支援を行っていくというわけですけれども、その実現に向けていわゆる跡地の活用に向けて財政支援を行ってもいいのではないかと思いますが、いかがですか。 ○副議長(池田憲彦君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 補助制度については、現在、国の仕組みを基にしました回復期への転換の補助制度がありますので、こういった制度の案内はもちろんしてまいりたいと思っております。また、労働者健康安全機構の御意向もあろうかと思いますので、情報提供してまいりたいと考えております。 ○副議長(池田憲彦君) 二十八番遠藤伸幸君。 ◆二十八番(遠藤伸幸君) 医療法では、都道府県知事は地域医療構想達成のために不足している医療機能を担うように、民間医療機関に要請・勧告することができるという規定もあります。そういう意味では、跡地利用についても要請することはできるのではないかと思いますけれども。本当に回復期病床が非常に足りなくてこれからの高齢化社会を乗り越えていけるのかという不安が非常にありますので、そこで、しっかりとした県の取組が示されないとやはり県民の不安は払拭されないのではないかなと思います。ぜひ御検討よろしくお願いいたします。 次に、動物愛護についてですけれども、飼い主のいない猫の不妊去勢事業についての予算拡充、検討していただくということですが、ありがとうございます。そのための財源の確保についても、更に努力していただきたいと。本県でも昨年度からふるさと納税のメニューに動物愛護を加えましたけれども、昨年度百五十万円。今年は今のところ百二十万円ということですけれども、他県の例ですと例えば神奈川県は三千万円以上の寄附が、名古屋市では例えば昨年度は六千四百五十万円の寄附がありましたので、ぜひPRにしっかりと力を入れていただきたいと思いますが、最後に知事の御所見を伺います。
    ○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 動物の不妊去勢の財源につきまして、昨日のレクで確認しましたら、大体十二月で今年度分がもう終わってしまうということなので、あと数か月分足りないということでありました。これはまずしっかり確保しなければいけないと思っております。足りなかった場合は、一般財源で補填するということもあっていいと思います。今、御指摘のように動物愛護に関心を持っている方が非常に増えてまいりましたので、ふるさと納税の中に、そういったものを取り込んで、全国から寄附を募っていくと、非常に有効な方法だと思いますので、よく検討してまいりたいと思います。 ○副議長(池田憲彦君) 二十一番村上久仁君。    〔二十一番 村上久仁君登壇〕 ◆二十一番(村上久仁君) 二十一番、自由民主党・県民会議の村上でございます。ただいま、議長から発言のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、一般質問を始めさせていただきます。 大綱一点目、宮城県の危機管理についてお尋ねいたします。 ここ数年、新型コロナウイルス感染症や大雨などによる被害が頻発するなど、安全・安心な日常生活は、自然の猛威によって危機にさらされています。加えて、北朝鮮による度重なるミサイルの発射により、緊張は高まるばかりであります。更に、映画の世界かと思わせるような殺人事件が宮城県内でも起こり、犯人はまだ逃走中とのことであります。私が住む名取市でも、刃物を持った不審者が出没するなど、日常生活を脅かす事件が多発しております。外国人観光客や我々日本人でも、夜間でも女性一人で外出できる安全な国が日本と思っていたのではないでしょうか。今年の十一月三日文化の日は、朝から青空が広がり、すがすがしい朝を迎えました。この日は、各地で文化祭やお祭りが開催されたと伺っております。名取市もふるさと名取秋まつりが開催され、朝早くから実行委員や出展関係者が会場となる名取市民体育館に集まり、九時からの開会に向けて準備をしておりました。そんな平和な風景を一変させたのが、Jアラート--全国瞬時警報システムのサイレンでした。北朝鮮から打ち上げられた弾道ミサイルが山形県、宮城県方向に向かっていることから、避難の対象地域になりました。また、十月四日にもJアラートが作動し、警戒対象地域の北海道や青森県の方々も、緊張を強いられました。幸いなことに、二度とも太平洋への落下や日本海上空での消失により被害はありませんでしたが、もし陸地であったらと考えると、本当に恐ろしいことであります。Jアラートのアナウンスでは、屋外にいる場合は近くの建物の中、または地下に避難してくださいと誘導しております。特に地下施設は爆風などに有効ですが、避難場所としての地下施設は非常に少なく、多くの県民がどこに逃げればよいのかという疑問を持ったのではないでしょうか。お恥ずかしい話ですが、実際、私もどうすることもできずに、ただただ茫然としておりました。地震や台風、津波といったものについては、何度か訓練もしましたし、それなりに心構えもありましたが、ミサイルという飛来物については、全くの無知でした。私のような人間のほうが多いのではないでしょうか。ロシアによるウクライナへの武力侵攻や北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射により、注目を集めているものの一つに、家庭用のシェルターがあるそうです。これまでのシェルターといえば、地下室や埋設型でしたが、最近のものは、ふだんは書斎や子供の遊び場などにも使用できる据置き型も登場したそうであります。値段も数百万円台と、かなり低価格になったとはいっても、まだまだ庶民には手が出ないのが実情です。今や安全な生活にも経済的格差が生じる時代なのでしょうか。私が政治家を目指した理由の一つに、経済的格差をなくしたいという思いがあります。親の経済的格差で子供の将来にも格差が生じるという負の連鎖を断ち切りたいと思っています。家庭用のシェルターもその最たるもので、地下室やシェルターを備えられる一部の家庭の子供たちだけではなく、全ての子供たちが安心して生活できる備えを用意するものが、政治ではないでしょうか。宮城県内にある緊急一時避難施設は九百十九か所、うち地下施設を有しているのは二十七か所と伺っています。地下施設二十七か所のほとんどが仙台市営地下鉄駅やJR仙台駅の東西地下自由通路であり、仙台市以外では、大河原町中央公民館と村田町町民体育館だけだと思いますが、収容人数や装備など、地下施設の概要をお尋ねいたします。また、県民の不安をなくすためにも、緊急一時避難施設、特に地下施設などの周知と拡充が急務と考えますが、知事のお考えをお尋ねいたします。 次に、十一月十九日に涌谷町で発生した殺人事件に衝撃を受けた方も多くおられることと存じます。自宅玄関口で起こった事件だけに、自宅にいても安心できない時代になってしまいました。刃物による殺人事件でしたが、殺人までには至らなかったものの一歩間違えれば取り返しのつかない未遂事件が多数発生しています。我が名取市だけを見ても、十一月二十五日、中学校近くで刃物を持った不審者が目撃されたのをはじめ、九月六日には、大型ショッピングモール近くでも刃物を持った女性が現れました。また、五月十一日と同月二十五日にも、通学路で刃物を持った不審者が目撃されております。これは宮城県内ではほんの一部と思いますが、こうした凶悪な事件または未遂などが頻発していることは、県民の平穏な日常生活を奪うばかりではなく、将来を託す子供たちの成長に大きく影響するため、迅速に事件を解決するとともに、事件を起こさない予防が大切と考えます。そこで、こうした凶悪な事件や不審者の出現等をどのように分析し対策を考えておられるのか、お伺いいたします。また、不審者が現れたのが通学路やショッピングモール付近ということから、多くの子供たちに対してどのように対応していくのかも課題としてあります。これは名取市だけの問題ではなく、全県下で起こりうることで、刃物を持った不審者やわいせつ行為を目的とした不審者に遭遇したときの対策と、遭遇した後の心のケアをどのようにしておられるのか、お伺いいたします。 次に、自然災害への対応についてお伺いいたします。 東日本大震災から間もなく十二年になりますが、この間にも、福島県沖を震源とする地震や度重なる豪雨被害など、自然災害は、生命・財産を奪うばかりか、災害から将来に向けて立ち直ろうとする多くの若者の意欲すら奪ってしまいます。今年も、大崎市を中心に被害が甚大だった七月の大雨や、三月の福島県沖を震源とする地震による災害が発生しました。特に大雨による災害は、ここ数年、毎年のように発生しています。宮城県としても、その都度土木部や農政部が中心となって災害復旧を行っておりますし、今議会にも中小企業等復旧・復興支援費として三十億円が補正予算に計上されています。毎回のように思うのは、どれほどの犠牲を出し、どれだけのお金を費やせば、災害、特に大雨から日常生活を守れるのかという素朴な疑問であります。 十一月二十六日、午後十時からNHKで放送されました、NHKスペシャル謎のヒグマ・OSO18という番組を拝聴いたしました。このヒグマは、北海道の標茶町や厚岸町で四年間で六十五頭の牛を襲撃し、いまだに捕獲できない雄のヒグマで、最初に被害が発生した標茶町オソツベツという地名と、前足の幅が十八センチメートルであることから命名された、推定体重三百キログラムの巨大ヒグマです。その姿を目撃した人はおらず、辛うじて山中に設置されたカメラの一台が姿を捉えた一回だけであったことから、別名忍者グマとも呼ばれているそうです。このOSO18は、襲撃した牛を食することはせず、また、餌に執着する一般のヒグマとは異なり、全く襲撃した餌に興味を持たないなど、特異な性格であるそうです。私は、この番組を見て印象に残ったのは、このヒグマは人間によって目覚めさせられた怪物ではないかという一節でありました。多くのヒグマは木の実が主食ですが、本来肉食であったヒグマの本能を、増え過ぎたエゾシカの駆除とその死骸を放置したことから目覚めさせ、もともと住んでいた土地を開墾によって奪った人間。OSO18に関してはまだまだお話したいところではありますが、この辺にて本題に戻ります。残念です。 大雨による災害対策を論じるには、治水の基本概念から始めなければなりません。水災害によって被害を受ける対象物の量や金額といった被害ポテンシャル、水が人間生活圏へ与える力の大きさである外力規模、河川や遊水地の流下能力・収容能力である治水容量の三要素が、水災被害を構成しています。水災害による被害は、被害ポテンシャルまたは外力規模が大きくなると増加し、治水容量が大きくなると低減されます。外力規模は、降水量など自然の働きに左右されるものでありますので、人間の力によって増減させることがほとんど不可能であることから、所与条件と考えることができます。外力規模を所与条件として扱うとすると、水災害の被害を軽減させるためには、被害ポテンシャルを調整・減少させること、治水容量を増大させること、または両方を融合した総合的な治水対策の三つが導き出されます。被害ポテンシャルを調整・減少させることは、現在の本県の土地利用を鑑みれば、大変困難な事業となります。先ほどのOSO18の例でも、我々人間の経済活動の一環として、もともと湿地帯だったところや自然の遊水地などが開発された地区は多くあります。そのため、ボトルネックとなった河川も、県下では多く見受けられます。河川改修は下流域から行うのが通常ですが、ボトルネックとなっている箇所の早期改修を望みます。県の考えをお聞かせください。 残りは治水容量になりますが、これは堤防などの構造物建設に代表される対策であり、伝統的な治水対策の主流であります。例を挙げれば、堤防を築く、河床をしゅんせつする、河道を広げる、放水路、ダム、遊水地の設置などがあります。そこで問題となるのが、どこまでやるのかという過去の最大外力の基準になってきます。欧米・中国の治水水準を見ると、例えばオランダのライン川は、一二五〇年から一万年に一度の洪水規模に対応しているほか、イギリスのテムズ川は千年に一度、フランスのセーヌ川は百年に一度、オーストリアのドナウ川は一万年に一度、アメリカのミシシッピ川は五百年に一度の洪水に対応しています。また、中国の長江は、三峡ダム建設後は千年に一度の洪水に対応できる予定になっています。一方、日本では百年から二百年に一度の洪水に対応することが指向されていますが、実際には三十年に一度の洪水が治水計画上の目標とされることが多く、その目標すら六〇%台程度しか達成していないと言われていますが、宮城県内の河川における治水容量における治水計画の概要について、お尋ねいたします。また、今後行われます治水工事においては、全て百年、二百年に一度の洪水に対応した治水容量を基本に計画できるよう、国に強力に働きかけるべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。 大綱二点目、宮城県における現況の経済状況についてお尋ねいたします。 令和四年十月三十一日に発表されましたみやぎ経済月報二〇二二年十月号によれば、八月を中心とした宮城県経済の概要は、「緩やかに持ち直している」と記載されています。前回公表分が「緩やかな持ち直しの動きがみられる」ですから、上方修正されています。その一方で、燃油の高騰や電気料金の値上げ、食料品をはじめとする生活必需品は軒並み値上がりが続いており、庶民の生活は苦しくなる一方だという声を多く寄せられているのも現実です。確かに、経済月報の個別指標を見れば、個人消費は経済概要と同じく前回公表分から「緩やかに持ち直している」に上方修正されていますが、全体的に底上げされているのか、大いに疑問が残ります。あくまでも私個人の肌感覚ですが、よく、裕福層ほどエンゲル係数が低く、困窮世帯ほど高いと言われていますが、その差がますます広がるとともに、裕福層だけ購買意欲が高まったことによるものではないのかと思っています。三次産業が県全体の七割を占める産業構造の本県にとって、個人消費を伸ばすことが特に重要となってくると思いますが、知事の現状認識と個人消費拡大に向けてのお考えをお伺いいたします。 次に、企業倒産についてお尋ねいたします。 個別指標では、前回分と同じく「落ち着いた動きとなっている」とし、表現を維持しました。九月の負債総額千万円以上の倒産件数は十二件と、前年同月比では四か月ぶりに増加いたしました。この十二件全てが、不況型倒産となっています。令和三年経済センサス活動調査速報集計結果宮城県の概要によれば、宮城県内の事業所数は約九万四千、従業員規模を見ると一人から四人の事業所が約五三%を占めています。事業所数ですから、首都圏からの出先機関があったり、県内への営業所なども入っていますが、県内の企業の多くは、中小企業から零細企業が占めていることが読み取れます。東日本大震災の復旧・復興需要がほぼなくなった現在、土木建設事業者は、工事量そのものが減少している中で、資材の高騰にあえいでいます。また、小売業者でも、特に商店と呼ばれている、その地域地域で商売をしている方々も、価格高騰分を商品に転化できずにいるのが現状ではないでしょうか。これから年末を控え、資金繰りが慌ただしくなる時期を迎えますが、倒産または廃業という形で、来春以降事業を継続できない個人事業主や企業も多くなることが予想されますが、県としてどのような認識でおられるのか、また、その対策としてどうお考えなのか、お伺いいたします。 また、東日本大震災における復旧・復興事業においては、円滑な施工確保に向けて、これまでにない復興歩掛り、復興係数、労務単価の引上げなどの被災地特例の様々な対策が講じられ、令和四年度まで継続されております。一方で、労務費、資材費、下請、施工環境が依然として変わらない中で、復興係数等の被災地特例施策が廃止されると、たちまち赤字に転じる環境下に置かれます。震災復興後の極端な事業量の減少や施工環境の大きな変化により、倒産や廃業などを余儀なくされることで、地域の安全・安心の守り手である地域建設業の存続に大きな危機感があります。このため、被災地域の建設業界の安定化と工事施工の円滑化を図るため、現場実態に即した積算体系や復興係数など、令和五年度以降も、被災地特例施策の継続について国に強く求めるべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。 私は、県議会でも子供の貧困問題を何度か取り上げてきました。子ども食堂運営にも県の支援をお願いしておりましたが、御英断により実現し、コロナ禍の中、運営者はもとより、多くの子供たちや高齢者の方々から、感謝の声をお聞きしております。私の地元で開催されているなとり子ども食堂も、県からの交付金をいただき、コロナ禍の中でも毎月開催しております。残念ながら食事の提供はできませんでしたが、フードパントリーとして、多くの企業や個人・団体から寄せられた食材やお米、野菜などを配らせていただきました。十月からは、子ども食堂を開催しております施設の管理者から御了解をいただき、持ち帰りでの食事の提供を開始いたしました。十一月十八日に開催されたなとり子ども食堂に、ボランティアスタッフの一員として参加させていただきましたが、新規来店者が増えていることや、独居高齢者の方々もいらっしゃいました。二時間の開催でしたが、来店者数は百九十二名で過去最高となりました。来られた方々からは「ありがとうございました。助かります」といった感謝の言葉をいただき、スタッフ一同、やりがいと充実感を味わいました。食料品のほぼ全てが値上がりしている中、個人消費は伸びているようですが、カップ麺二個、菓子パン二個でも助かりますと感謝してくれる若いお母さんたちがたくさんいらっしゃったのも現実です。子ども食堂は、NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえの調査によれば、コロナ禍の中にもかかわらず、令和二年度が四千九百六十か所、昨年度は六千十四か所に増加しています。電気料金が大幅に値上げされる予定で、灯油も高止まりのままです。これから冬本番を迎える宮城県においては、子育て世代や年金生活世帯の方々にとってますます厳しい時期となります。県は、状況をしっかり把握し、県としての対策を講ずるとともに、救済のための方策を国に早急に求めるべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 村上久仁議員の一般質問にお答えいたします。大綱二点ございました。 大綱二点目、宮城県における現況の経済状況についての御質問にお答えいたします。 初めに、個人消費の現状認識と拡大に向けた取組についてのお尋ねにお答えいたします。 今年八月を中心とした宮城県経済は、三年ぶりに行動制限のない夏となったことを背景に、個人消費や生産が上向きになったことなどから、基調判断を上方修正いたしましたが、生鮮食品を除く仙台市消費者物価指数が前年同月比で十四か月連続の上昇となるなど、物価が上昇し、個人消費への下押し圧力が続いていると認識しております。こうした価格高騰に対して、国では総合的な経済対策を打ち出しており、地方自治体においても、これに呼応し、物価対策と景気対策を行っているところであります。我が県においては、九月に創設された電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を活用した光熱費や物価高騰への支援策を今議会に提案しているほか、県内市町村においては、住民や地元商店街を応援するための商品券の発行等を予定しているところもあると伺っております。県としては、これらの施策を通じて、引き続き個人消費の拡大に努めてまいりたいと考えております。 次に、廃業や倒産への認識と対策についての御質問にお答えいたします。 県内の事業者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の長期化に加え、物価・原材料価格の高騰などにより、厳しい経営環境にあると認識しております。県では、これまで、実質無利子・無担保の県の融資制度を活用し、県内事業者の事業継続を支援してまいりましたが、返済が困難な事業者が増加してきていることから、金融機関に対し、事業者の状況に配慮した据置期間や返済期間の延長などの柔軟な対応を要請するとともに、新たな資金繰り支援策として、国の経済対策と連動した借換融資制度の創設についても検討しているところでございます。また、企業倒産の主因が販売不振であることを踏まえ、生産性向上や販路拡大、新分野展開に向けた事業再構築などの取組を後押しすることが重要であることから、中小企業等再起支援事業や中小企業等事業再構築支援事業などを実施し、支援しているところであります。県といたしましては、引き続き国や市町村、商工会、商工会議所等関係機関と連携し、地域経済を支える県内中小企業・小規模事業者を全力で支援してまいります。 次に、復興係数などの被災地特例施策の継続についての御質問にお答えいたします。 東日本大震災の復旧・復興事業における復興係数や復興歩掛りなどの被災地特例施策は、工事量の増大に伴う資機材や労働力の不足等に対する施工確保対策として、事業の進捗に大きな役割を果たしたと認識しておりますが、県内の復旧・復興事業につきましてはおおむね完了したことから、復興係数などの被災地特例施策を来年度以降に適用することは難しいものと考えております。一方、建設業界においては、少子高齢化による担い手不足に加え、資材高騰対策などの新たな課題も生じており、こうした課題に対して的確に対応することが必要となっております。このため、県においても、週休二日モデル工事をはじめとする働き方改革の推進や、ICT活用工事などによる生産性向上の取組を行っているところであり、これらの経費については、工事費に適正に計上しております。また、最近の資材価格の高騰に対しては、適時、適正に単価の改定を行っているほか、工事契約後の著しい単価の変動に対しましても、スライド条項の運用により、設計額に適切に反映できるように対応しております。県としては、地域の守り手としての建設業が安定的かつ持続的に発展できるよう、国土交通省などの関係機関と連携を図りながら、工事施工の円滑化に向け、引き続き施工確保対策を講じてまいります。 次に、生活困窮世帯や子育て世帯に対する支援策についての御質問にお答えいたします。 国の物価高騰対策として、子育て世帯生活支援特別給付金や電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金の支給のほか、事業者に対する支援により価格抑制を行うなど、家計への負担軽減が見込まれております。県といたしましても、住民税非課税世帯や家計急変世帯に灯油購入助成を行う市町村を対象とした補助を、補正予算案に盛り込んでいるところであります。このほか、生活困窮者自立相談支援センターにおいては、一人一人の状況に応じた支援プランを作成し、関係機関と連携しながら、生活支援や就労支援などを行っているところであります。また、みやぎこども食堂ネットワークを活用し、子ども食堂の運営支援を通じて、地域の子供や親子をめぐる状況を把握し、必要な支援につなげるよう努めているところであります。今後も実情を把握しながら、引き続き、国に対しても、全国知事会等を通じ必要な支援策を要望してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。    〔復興・危機管理部長 佐藤達哉君登壇〕 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 大綱一点目、宮城県の危機管理についての御質問のうち、国民保護法に基づく避難施設である地下施設の概要と、緊急一時避難施設等の周知と拡充についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の避難施設のうち、地下施設は現在二十七か所あり、国の算出基準に基づく収容可能人数は、仙台市の地下鉄駅舎、地下通路などで合計約二万人、大河原町中央公民館の地下一階部分で約五百人、村田町町民体育館の地下運動場で約四百人となっております。ミサイル攻撃等の国民保護事案においては、発生の覚知から避難までの時間が極めて短いことから、県では、身近な場所に地下施設を含めた緊急一時避難施設が確保されることが望ましいものと考えており、国や市町村等とともに、候補施設の情報収集に継続して取り組んでおります。この結果、新たに国道の地下横断歩道を指定できる見込みとなったほか、更なる施設の指定に向けて、県や市町村が管理する公共施設の再点検や、民間商業施設の運営事業者との意見交換を実施しているところでございます。昨今の国際情勢から、緊急一時避難施設の場所等とともに、有事において県民が取るべき行動について、国や市町村と連携しながら、一層の周知に努めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱一点目、宮城県の危機管理についての御質問のうち、河川改修についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、河川沿川の土地利用状況や人口・資産の集積状況及び近年の浸水頻度などを踏まえ、中期的に実施する具体的な治水対策を定めた河川整備計画に基づき、上下流の流下能力のバランスを考慮し、下流から計画的に河川改修を進めているところです。一方、従来保水機能や遊水機能などを有していた土地の宅地化が進む中、近年の自然災害の激甚化・頻発化などの影響により、一定の治水安全度が確保される前に浸水被害が発生している箇所もあると認識しております。こうした箇所に対しては、局部的な河道拡幅を実施するとともに、堆積土砂撤去や支障木伐採などにより流下能力の確保に努めているところであり、県といたしましては、国土強靱化予算等を積極的に活用しながら、計画的な河川改修を進めるとともに、適切な河川管理に努めるなど、引き続き県民の方々が安全で安心して暮らせるよう取り組んでまいります。 次に、我が県の河川整備水準と、より高い水準となるよう国に働きかけるべきとの御質問にお答えいたします。 県では、過去の降雨実績に基づき、おおむね百年から数十年に一度の降雨に対応する計画流量を定めた上で、長期的な視点に立った河川整備の基本的な事項を定める河川整備基本方針を策定しております。この基本方針を踏まえ、早期に整備効果が発現できるよう、具体的な治水対策を定めた河川整備計画に基づき、三十年から十年に一度の降雨に対応した整備を進めているところです。一方、国では、近年の水災害の頻発化に加え、今後の気候変動による降雨量の増加などの予測を踏まえ、整備の基本となる計画流量について、過去の降雨実績に基づくものから気候変動による降雨量の増加などを考慮したものに見直しした上で、河川整備基本方針の改定を進めております。県といたしましては、この見直しが整備水準の向上や浸水被害軽減に大きな効果があるものと認識していることから、国や市町村等の関係機関と連携し、県管理河川の基本方針及び整備計画の改定を順次進めながら、しっかりと河川整備に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 警察本部長原幸太郎君。    〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕 ◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱一点目、宮城県の危機管理についての御質問のうち、凶悪事件や不審者の出現等に関する分析や対策、対応の周知等についてのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のありました四件の刃物携帯による不審者出没事案については、いずれもみやぎセキュリティメールやパトカーによる現場広報などで被害防止を呼びかけたほか、パトロール強化により不審者の発見活動を行い、人的被害はありませんでした。県内における他の不審者情報には、工具や携帯電話機を見間違えたものもある一方、銃刀法違反での検挙も一件ありました。これらは、手口や現場の状況、類似事件との関連性等を分析して、捜査活動等に活用しています。更に、学校や児童福祉施設などにおいては、防犯教室の開催、犯罪被害を回避する能力を身につけさせる参加体験型の不審者対応訓練などを実施しているところです。また、不審者事案に遭遇した子供の心のケアについては、学校などの関係機関と連携し、子供の心情に配意した対応のほか、それぞれのニーズに応じて精神的な被害の回復を支援しているところです。今後とも、子供の安全を確保するため、学校、自治体、防犯ボランティア団体等と連携・協働した安全対策を推進してまいります。 以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 二十一番村上久仁君。 ◆二十一番(村上久仁君) ありがとうございました。そこで再度お尋ねしたいのですけども、まず順番から行きまして、国民保護法に基づく避難施設。 今、人数は二万人プラス五百人、四百人ということで、大分想像よりも少ないなということがありますし、実際今まで、私も先ほど壇上で言いましたとおり、津波とか地震とかそういったものに対しての心構えというのは持っていたつもり、それは持っていると思いますけれども、この飛来物、特にミサイルについての予備知識もなければ、実際どうするのだと。そして、おっしゃっていたとおり仙台市に集中している。あとは、ほかの二つのところは全部南の地域ですし、そういった意味でも、答弁いただいたようにこういう民間施設、例えば商業ビルの地下を使わせていただけるとか、公共施設の地下を瞬時に開放するシステム、そういったものを早急に対応していただければなというふうに思います。それからもう一つ、地下施設についてでありますけれども、今、県で様々な建物を更新したり、実際に警察署の新築とかも予定されていますが、知事、そういった県が今後造る施設に地下施設を備える、これは当然お金がかかりますから大変なことは分かりますけれども、そのくらいの覚悟がなければ、県内満遍にこういったものを設置するのはかなり難しいのではないかなと思います。ましてや、私が住んでいる名取市だと、地下というもので捉えて頭に浮かぶところはまずない。そういったところに逃げろと言われても逃げられないですから、ぜひ公共施設に地下施設を今後造る、それから、もし既存の公共施設であれば、簡易と言ったらあれですけれども、後から設置できるようなシェルターを用意する、そういったことを今後目指していくべきだと思いますが、知事、この辺どのようにお考えなのか、再度お伺いいたします。 ○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) まず、最初の御質問ですけれども、先ほど部長が答弁いたしましたとおり、今、国や市町村と一緒になりまして、候補になり得る施設の情報収集に取り組んでいるということです。ただ、地下があるのは仙台市がほとんどですので、やはり仙台市にどうしても偏ってしまう。しかし、冷静に考えて、人口が密集しているのは仙台市、特に中心部はかなり人が常時密集していますので、やはりこういったところから優先的にやっていくというのは必要なことではないかなと個人的に思っております。それから、県のこれから造る施設に地下施設ということですけれども、当然、費用対効果というものを考えながら検討していかなければならないと思います。地下施設を造るとなりますと大変なコストがかかってまいりまして、国のお金も入れながらのことでありますから、国とも調整しながら検討していく必要があるというふうに思います。同時に、県の造る施設というのはそれほど大きな施設ではありませんので、そこにいる人たちを全て収容できるかどうかということも併せて検討していく必要があるだろうと思います。既存の施設をこのためだけに造るということはなかなか、かなりお金がかかってしまいますので簡単にはいかないのかもしれませんけれども、今後どういう事案が発生するか分かりませんので、特に北朝鮮が今非常に危険だと言われておりますから、北朝鮮の情報などもしっかりと国から取りながら、そうした危険性がある可能性があるということであれば、よく考えていかなければならないだろうと思っています。 ○副議長(池田憲彦君) 二十一番村上久仁君。 ◆二十一番(村上久仁君) ぜひ今後ともそういったものを頭に入れていただいて、一か所でも増えるようにしていただければなと思います。 続いて、河川改修に当たってですが、今までずっと計画的にいろんな方針でやっていたけれども、それはそれで十分認めての発言ですので誤解しないでいただきたいのですが、それでも同じところが何回も繰り返して浸水する、または越水するといったことが起きていますので、もっとこの計画を前倒しで進めなくてはいけないと思います。そのためにもお金が必要だということは重々承知しております。ですから、こういったものをぜひ国に強力に要望していただいて、やはり一回浸水して被害を受けたところがまた次の年に同じことを繰り返すということになれば、もう本当に立ち直る気持ちすら薄れてきますので、ぜひ予算を獲得するような、そしてそれを有効に使えるようなことと計画をいくらかでも前倒しにしていただきたい。そういったことでもう一回、その辺をお答え願えればなと思いますが、いかがでしょうか。 ○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 以前も答弁いたしましたけれども、斉藤国土交通大臣から、東北はもともとそんなに大雨が降る地域ではなかったので、河川の川幅が他の西の地域に比べて狭いと。最近は激甚化・局地化していって、急に水位が上がって越水してしまう、あるいは堤防が破堤してしまうといったような問題があるということであります。これは、一気に全部やるということは難しいものですから、基本的に流域治水というような考え方も入れながら、被害を最小限に抑えていく。何よりも重要なのは、やはりまず命を守ることだと思いますので、そういう考え方で進めていくということであります。国土強靱化予算を、五か年計画が終わりましても引き続き継続できるように--これは法律に書き込みたいということをこの間要望に行ったときにおっしゃっていました。そして、予算はしっかり別枠で確保するのだと大臣や政党の関係者もおっしゃっていましたので、そういうことが実現していければ、少し時間がかかりましても、やはり被害の出るところから中心に最小限化するように、いろんな施策を組合せながら考えていきたいと思っています。何にしても、まず予算が必要でございますので、そういった意味で、しっかりと予算の確保に向けて努力してまいりたいというふうに思います。 ○副議長(池田憲彦君) 二十一番村上久仁君。 ◆二十一番(村上久仁君) ぜひお願いいたします。もうこれで再質問の時間もなくなってきましたけれども、実は今朝零時から三時までサッカーを見ていまして、日本の代表がベスト十六。私がなぜこう言うかというと、経済効果が試算によると百六十数億円、勝ち進むことによってそのくらいの経済効果が出たそうです。これが今日勝っていれば二百億円の経済効果があったとも試算されていますので、個人消費を伸ばす創意工夫で、知事、ぜひ宮城県の消費を伸ばすような方策を、今後ともよろしくお願いをいたしまして、終わります。どうもありがとうございました。 ○副議長(池田憲彦君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○副議長(池田憲彦君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時五十五分散会...